01-07.リベンジ
「いや~♪ 良かった良かった♪ お兄ちゃん起きてた♪」
「良くない! この大バカ者が!」
ごめんて。お兄ちゃん。
「兄とはいえだ! 夜中に異性の部屋へ忍び込んでくる奴があるか! 立場を弁えろ!」
あ。一応そういうの気にしてたんだ。
え? じゃあわざと皆の前で胸元のリボン直したの?
いやん♪ えっち♪
「クー様。手早くお済ませに」
「おっけ~♪ てことでお兄ちゃん♪ 観念しろい♪」
「待て! 何をする気だ!? おい!? 正気か!?」
「だいじょびだいじょび♪ 慣れてっからさ♪」
夜中に城のお兄ちゃん部屋へと忍び込んだ私とユキノは、嫌がるお兄ちゃんを強引に抱え上げて窓から飛び出した。
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「……本当に……魔力が」
「ね♪ 言ったっしょ♪」
「……何故わかった?」
「夢の中に女神様が出てきてね。お兄ちゃんの時は失敗しちゃったからやり直したいって。女神像まで連れて来てって。そう言ったの。あとメンゴって」
「……ユキノは信じたのか?」
「慣れたものでございます」
「……妹が苦労を掛けるな」
「慣れたものでございます」
ごめんて♪
「それでだ。お兄ちゃん。可愛い妹から一つ大切なお話があります」
「……なんだ?」
そんな胡乱げな目をしないでおくれよ。
「私が出来る女だってこと、皆には内緒だぜ♪」
「……こいつは何を言っているんだ?」
ありゃ? まだ気付いてなかった? お兄ちゃんは見破ってるかもって私の勘違いだった?
「とにかくお兄ちゃんも協力して♪ 私の昼行灯計画に♪」
「……聞くだけ聞いてやる」
さっすが~♪ 話のわかるお兄ちゃんだぜ♪
「かくかくしかじか」
「おい」
冗談だってばよ。
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「てなわけなんよ♪」
「……こいつは何を言っているんだ?」
さっきと同じセリフ。しかも何故かユキノに聞くし。
……はっ!? さてはお兄ちゃん!?
「ユキノが好きなんだなぁ! 恋してるんだなぁ!?」
「……こいつは何を言っているんだ?」
botみたいになっちゃった。
「ユキノはダメだよ! 私のだからね! だいたいこう見えて三十超えてーーあばばばば!?」
痛い!? 痛い痛い! グリグリしないで~~~~!!
「とにかく話はわかった。約束しよう。だからもう帰れ」
「うん♪ ありがとう♪ お兄ちゃん♪ 愛してるぜ♪」
「黙れ」
ぐすん……。
「……待て。神託を伝えてくれた事には感謝する」
いやん♪ うちのお兄ちゃんツンデレちゃん♪ 可愛い♪
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そんなことがあってから早数日。
何故かお兄ちゃんは、魔力を得た事を誰にも伝えていないようだ。まさかお兄ちゃんまで昼行灯を目指すのだろうか。
協力してくれとは言ったけど、そこまでは頼んだつもり無かったのに。
「もうすぐ入学だね~」
「準備はお済みになられましたか?」
「ううん。実はまだなんよ~」
「流石のクー様でも手こずられておりますね」
「ママに聞ければ早かったんだろうけどね~」
「クー様……」
「まあまあ♪ 出来ないこと言ってもしゃあないし♪ 明日また書庫で調べてくるよ♪」
「お手伝い出来ることはございますか?」
「禁書庫の入り方♪ おし~えて♪」
「なりません」
「けち~」
ふふ♪ けど大丈夫♪ クーちゃん様に秘策ありだぜ♪
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禁書庫。それは城の書庫の最奥に存在する、いかにもな部屋だ。
ガッチガチに鍵付き鎖で封じられた鉄扉によって守られている。甘々パパも禁書庫に入る許可だけはくれなかった。
絶対この奥に何かある筈だ。私の直感がそう囁いている。
そう思って、既に何度か忍び込もうと試みた後だ。
しかし今のところは全て失敗に終わっている。
どうやら物理的にだけでなく、魔術的な防御まで仕込まれているらしい。よっぽど重要なお宝が眠っているのかしら?
私は一つ一つ封を解く方法を調べてきた。
鍵は意外とピッキングでどうにかなった。
ふっはっは♪ 最新式の電子キーなんぞこの世界には存在せんのだぁ♪
後は魔術防壁だ。
ここに取り出したるは地水火風四属性の魔石たち♪
それぞれ術式を刻んだプレートに嵌め込んであるぜ♪
とある事情でいずれの魔術も扱えない私の秘密兵器だ♪
さあ扉の封印よ! 今日こそ負けを認めるがいい!
ふぁっはっはっはっはっはっは♪




