↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚空少女の風騙り ~ 英雄王女の異世界昼行灯 ~  作者: こみやし
03.夏季休暇編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
33/125

03-07.転移習得


「さっすがクーちゃん♪」



 私なんもやってないけどね。今回ばかりは。本当に。


 ちょっと気が重い。四番目のお姉ちゃんは私たちの都合で隣国に嫁ぐことになっちゃったんだもの。


 しかも顔を合わせづらいのに、最低でも二週間くらいは一緒に行動することになるのだ。それも大半は狭い馬車の中で。早めに挨拶して頭を下げておくべきだろう。


 とはいえ、今日の今日で行くわけにもいかない。陛下が四番目のお姉ちゃんに改めて通達するだろうから、その後に会いに行かないとだ。



「私も行くわ」


「「それはダメ」」


 まったく。ノーラ姉様は何を言ってるんだか。



「ノーラね……ごほん。ノーラはもう一介のメイドなのよ。王女に会えるわけがないでしょ」


「まだ死んでないわ。葬儀を行ってないもの」


「だからってピンピンして出歩いていたらおかしいでしょ」


「私はあの子と仲が良いの。このまま何も言わずに送り出すなんてどうしても出来ないわ」


 あ~……そういう……。


 陛下も根回しが足りないんじゃないかしら? あれは計画的な提案じゃなくてアドリブだったの? 私が急にノーラ姉様をくれとか言い出したから? 本当に?



「レオン兄様の部屋ならともかく、王女の部屋は忍び込めそうにないのよね……」


 なんかやたら厳重だったし。間違いなく四番目のお姉ちゃんもノーラ姉様と同じように特別なエリアに住んでいるんだろうし。



「ダメだってば、クーちゃん」


 いやそうなんだけどさ。



「大切な嫁入り前の身だもの。これから警備もより厳重になるわ。ノーラが近づけるチャンスは今だけだと思うの」


「だからそもそも不可能だってば。転移が使えるならともかく」


「それよ! 一旦修行空間の話に戻しましょう! その後転移も開発するわ! すぐ始めるわよ!」


「……あいあいさー」


 アヤメお姉様も渋々頷いてくれた。



「ノーラ♪ 私に魔術を教えて頂戴♪」


「ええ。喜んで」




----------------------




「できた……」


 まさか……こんなあっさり……。


 修行空間のみならず転移まで……。



「やったね! クーちゃん!」


「おめでとう。クーフェリア」


「うん! ありがとう! アヤメ! ノーラ!」


 やった! やった! 遂にやったんだ!



「い~~~~~やっふぅ~~~!!」


「「いえ~い♪」」


 ハイタッチ♪ あんどハグ♪ 今だけだぜ♪ アヤメ♪



「これなら収納魔術の時間停止も出来るね!」


「……え?」


「えってなに? 出来るでしょ?」


「……やってたわ。前から」


「……うん?」


「無意識に理解してたのね。クーフェリアは」


「……クーちゃん」


「……そんな目で見ないでぇ~」




----------------------




「てなわけでね。ユキノん」


「これからですか?」


「うん♪ ピクニック♪ 一緒に行こ♪」


 転移を習得したからって、流石に真っ昼間から四番目のお姉ちゃんとこ乗り込むわけにもいかないからね♪ 日が暮れるまではお外で遊びましょ♪



「準備致します」


「いいからいいから♪ そのままでいいから♪」


 じゃじゃ~ん♪ これが転移門だ♪ ぜっ♪



「……クー様。これは当家の庭ですね」


「そうそう♪ これでどこでもすぐに行けるからさ♪」


 イメージした先へは思いのままだぜ♪



「クー様は未だ王都の外へ出たことがありませんね」


「うん。前回は直前で呼び戻されちゃったもんね」


「であるなら、直接の移動は叶いませんね?」


「……うん。そうだね。門をくぐらないとね。けどほら。門の前までならすぐ行けるしさ♪」


「クー様。姫が容易に王都を出られる筈もありません」


「えっと……そうだね」


「随分と舞い上がっていらっしゃるご様子。その状態では外にお連れすることは出来ません」


「……はい。落ち着きます」


「クー様。もう一歩踏み込んでお考えくださいませ」


 ……というと?



「クー様の外出には陛下の許可が必要です」


「……つまり、パパは許可した上で私を呼び戻したの?」


「そういう事になります」


 ……なる……ほど。



「もう一度申請を出しても、今度は承認されない可能性が高い?」


「はい。そのようにお考えになられるべきかと」


「そんなぁ~……」


「どこか高所から王都の外を視界にお収めください」


「それだぁ♪ ありがとう♪ ユキノ♪」


「日が暮れるまではお待ちを」


「そうなると明日かなぁ~。本格的なのは」


「はい。今晩しっかりと準備を整えて参りましょう」


「うん♪ 了解♪」


 それまでには冷静になっておこう。今の話は自分でも気付けた筈のことだ。ユキノに止められるわけだ。


 四番目のお姉ちゃんと会う用事もあるんだし、話し方にも気を付けないと。お姫様として、大人として相応しい振る舞いを忘れないように。でないと折角ユキノが自由を許してくれているのに、考え直してしまうかもしれないものね。もちろん期待を裏切りたくはない。だから冷静に。冷静に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。