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嫌われたまま死ぬはずだった聖剣の乙女ですが、後悔した第三王子の口づけで目覚めました  作者: アキラ・モーリング


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第6話:遅すぎた告白と、終わりのない祈りの日々

「頼む。どうか……目を覚ましてくれ」




 答えはない。


 


 それでも彼は、その日から毎日口づけた。


 


 朝、訪れて。


 


 手を握り。


 


 髪を撫で。


 


 額へ。


 


 頬へ。


 


 唇へ。


 


 最初は遠慮がちだった口づけも、次第に熱を帯びていく。


 


「今日は少し顔色がいいな」


 


「指先も温かい」


 


「……早く起きろ」


 


 眠るセレスティアへ、アルフレッドは飽きることなく語り続けた。


 


 そして、時には。


 


「愛している」


 


 返事のない告白も落とした。


 


「本当は……ずっと、お前だけだった」


 


 今さらだ。


 


 遅すぎる。


 


 そんなこと、彼自身が一番わかっている。


 


 学院で拒絶した日からも。


 


 魔王討伐へ向かう間も。


 


 心のどこかで、ずっと彼女を気にかけていた。


 


 本当は話がしたかった。


 


 誤解を解きたかった。


 


 もう一度、あの頃のように笑い合いたかった。


 


 だが、その機会は永遠に失われたのだと思っていた。


 


 だから気付いた。


 


 失いたくないと願うこの気持ちが。


 


 彼女の無事だけを願ってしまうこの想いが。


 


 愛だったのだと。


 


「だから頼む……」


 


 彼女の唇へ、再び口づける。


 


「戻ってきてくれ」


 


 今日も返事はない。


 


 そんな日が幾日か経って。


 


 突然、セレスティアの胸元から、淡い白銀の光が溢れ出した。


 


 無数の光粒が宙を舞い。


 


 やがて一振りの剣が、静かに顕現する。


 


 浄化を終えた聖剣だった。


 


 それは。


 


 セレスティアの役目が終わった証でもあった。


 


 公爵夫人が涙を零す。


 


「……終わったのね」


 


 長かった浄化が、ついに完了したのだ。


 


 アルフレッドは聖剣を手にし、


 


 そして、ゆっくりと視線を寝台へ戻した。


 


 そこには。


 


 ほんのわずかに頬へ赤みを取り戻した、愛しい少女が眠っていた。


 


「……セレス」


 


 アルフレッドはそっとその手を握る。


 


 以前より温かい。


 


 確かに命はそこにある。


 


 それなのに。


 


 瞼は閉ざされたままだった。


 


「今度こそ」


 


 震える声が漏れる。


 


「ちゃんと伝えるから」


 


 握る手に力が入る。


 


「だから――」


 


 目を開けてくれ。


 


 その言葉は声にならなかった。


 


 静かな部屋に、祈るような沈黙だけが落ちる。


 


 けれど。


 


 どれだけ待っても。


 


 その日、セレスティアが目を覚ますことはなかった。

明日の日曜日はお休みして続きのストックを貯めたいと思います!

月曜日は18時更新です!


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