↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/16

攻撃

 20XX年7月27日10時33分、名古屋市中区栄。広小路通と堀川の交わる納屋橋にある超高層複合施設「ツインテラス納屋橋」の主要部分を占めるタワーマンション「ルネサンスシティ名古屋栄」の管理人室に、1人の男が立ち入った。


「あぁ君、何して――。」


制止しようとした管理人の息は既に無かった。一発の弾丸が静音器(サイレンサー)を通して放たれた。


「1班1、制圧。続行せよ。」


料金所のバーを圧し折って立体駐車場へ飛び込んだ軽トラックから、次々と男が飛び降りてくる。そして短機関銃や拳銃、ライフルを手に館内へ走り始めた。低層階の商業施設へ突っ込んだ工作員は手に持つアサルトライフルを腰だめに構え走り始めた。


「何何?映画?」「あれホンモノ?」


平日日中、まばらながらも滞在していた民間人へ向けライフル弾が襲い掛かった。白昼の都心に銃声が響き渡る。エレベータに駆け込んだ工作員たちは各階で降りマンションの住民を拘束しホールへ集めていった。最上階にはスナイパーライフルを配備し、さらに高層階にライフルや無反動砲、ロケット弾や擲弾を持ち込んだ。


「逃げろ!!撃ってる!!」


店舗内の通行人が叫び、数秒後には無数の弾痕を身体中に残す物言わぬ肉塊と化した。110番通報が建物の内外から相次ぎ、都心部を警戒中だった第1機動隊第3中隊が急行した。


「至急至急。1機3中より本部、現場へ急行中。発砲許可と交通規制を求む。」


所轄の警官が避難誘導を行っているところに、上階からの銃弾が降り注ぐ。機動隊が臨場したときには、既に通りは血に染まっていた。警備車から降車した隊員に銃弾が叩きこまれ頭から吹き飛んだ。警備車や指揮車、物陰に隠れるように降車し、隊列を組んだ。散発的に発砲があった。


「宮内!宮内!」


頭から吹き飛ばされた隊員に駆け寄り肩を揺すると、割れたヘルメットが外れ頭から血を流している様子が見て取れた。


「菊井!隊列を外れるな!」


膠着状態だった。


 同刻、愛知県名古屋市中村区名駅。臨時の検問が行われていた名駅通りを、1台の大型トラックが走行していた。


「停まってー。」


警官に声を掛けられ停まったトラックから運転手が顔を出す。


「臨時で検問やってまして。免許証、見せてくれる?」


男は何の気もなしに免許証を手渡す。警官が確認する。


「…これ?偽造ですよね?降りてきてもらえるかな。」


そう言われた男は観念したような顔を見せ、突然アクセルを踏み込んだ。急発進するトラックは検問のパトカーを吹き飛ばし、荷台から無数の破裂音が聞こえ、免許証を手にしたままの警官はその場に崩れ落ちた。通行人に無差別に発砲しながら名古屋駅前の交差点まで爆走したトラックは、運転席と荷台から10人ほどの男が飛び降りた後も進み続け、歩道に乗り上げタクシープールを突破し、駅前のイベントスペースを通行人と共になぎ倒し、ショッピングモールへのエスカレータに突っ込んで大爆発を起こした。火炎が周囲の通行人に襲い掛かり、衝撃波が駅ビルのガラスカーテンウォールを粉砕した。


「なにあれなにあれ!」「爆発?やばくない?」「撃ってる!すげえ!」


トラックから飛び降りた男たちは通行人に短機関銃を乱射しながら地下へ駆け込んだ。名古屋駅は阿鼻叫喚の地獄と化した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。