終章-9 : 逆転の銃声
ジークが自分をそんな風に思ってくれているのが嬉しかったのだ。
「私をどこに連れて行くおつもりですかな?」
「ゼニウス国王の元にまずは連れて行く。ルミナ、君はシオンと時間を空けてから城に来ると良い」
「うん……」
「大丈夫だ。そう心配するな」
ジークはルミナの髪を優しく撫でてから、ゼニウスの兵士を伴ってベネディクトの方へと歩き出した。
「ルミナ様、ケガはありませんか?」
シオンは珍しく眉尻を下げて、心配そうな顔をしている。
「大丈夫よ。ありがとう」
ルミナが笑って見せると、シオンも安堵の表情を見せた。
と、その時――パァン!と、空を裂くような破裂音が部屋に響き渡った。
(な、何――)
身を屈めながらも音のした方へと顔を向けると、片膝を床に付き左腕を抑えたジークと、揺れる硝煙を吐き出しているピストルを手にしているベネディクトの姿が目に映る。
「ジ、ジーク!」
「おっと、ルミナ姫も、護衛も動かない方が良いのではありませんかな?」
ベネディクトはジークの顔にピストルを向け、カチリとハンマーを親指で弾いた。
「嫌な物を隠し持っていたものだな」
「護身用ですよ。これが役に立つ日がくるとは」
「……」
ニヤリと笑うベネディクトをジークは無言で睨みつけた。




