終章-6 : ドア越しの再会
「……ダメだわ。壊れない」
パチパチと鳴る掌には目もくれず、ルミナがドアを睨んでいた。
(鉄のドアを壊そうと……?)
ルミナがしようとしていることに気が付き、ユーリは上がった口角を隠すように手で覆った。
「!」
不意にユーリの耳に幾人もの足音が聞こえ、彼は耳を澄ます。
『教会での勝手なことをされますと、神の怒りに触れますぞ』
小さいがベネディクトの声も捉え、ルミナに静かにするよう伝え、ドアに耳を寄せた。
ルミナもユーリに倣って、壁に耳を付ける。
ドアの開く音と共に『その神とは、ゼニウスの神のことか? それとも貴公のことか?』と、ジークの声が聞こえ、ルミナの顔には自然と笑みが浮かんだ。
その肩をユーリがつつく。
何よと、横睨みにすると、ドアを叩くふりをユーリがする。
ユーリの言わんとすることが分かり、ルミナはドアを力いっぱい叩きながら「ジーク!」と叫んだ。
『他国の姫を閉じ込めることは、ゼニウスの神の怒りには触れないのだな』
だんだんジークの声が近づき、足音が止まった。
(きっとすぐそばにいる……!)
ルミナはドアを見上げた。
(ダメだわ。出られそうにない)
壁の上部を見ても、窓や隙間などはない。
「この辺りに光を出してもらえますか?」
壁に耳をあて、指で叩いていたユーリが壁を指した。ルミナはそのドアから少し離れた壁に手をあてた。




