6-24 : 光の壁
心なしか黒いルミナの髪がふわふわと浮かび、光を孕んでいるように見える。
「ジークは私がここに残っても平気よね。アストリア王女だっているもの」
ルミナはジークから視線を外した。
(何故、アストリア王女の名前が出るんだ……)
脈絡がないように思えて、ジークは思わず眉を寄せた。
「ルミナ」
彼女の光の壁にそっと手を触れた途端、パチパチと触れた部分に電流が流れる。
「っ!」
反射的にすぐに手をどけると、ルミナは今の出来事に気づいていないようであった。
(まるで拒絶だな)
ジークは痛みの走った指を見つめた。
「……ルミナ、俺だって、君が好きだ」
ジークが光の壁に手をあてる。
静電気のようなパチパチとした痛みがジークの指に走り、壁からの閃光が可視できる。
ルミナはジーク側に走る稲妻のような青白い光に目を丸くした。
「君がどう思っているか分からないが」
ジークが光の壁に指を食い込ますと、激しくパチパチと光が溢れ出す。
「君が思っている以上に、俺が君を好きだと自覚してほしい」
溢れ出す光には目もくれず、ジークは意思の強い眼差しでルミナを射た。
ルミナがギュッと下唇を噛むと、髪の光は消え、光の壁もパリンと砕け、崩れていった。
「ジーク!」
ジークが光の壁に食い込ませていた手には、無数の刃が走ったような赤い筋が幾つもあり、指先からはポタポタと血が流れ出ていた。




