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6-1 : 黒髪の王女を迎える白い法衣
夏の熱い日差しが天高く登っているのをベネディクトは、手をかざし仰ぎ見る。
(今日も暑くなりそうだ)
歳を重ね、年々暑さが体に堪えるようになり、この暑さにうんざりすると、彼は溜息を吐いた。
(しかし、今日は……)
ベネディクトは口角を秘かに上げる。
もう少しで、アルカディアの黒髪を持つ少女・ルミナがこちらにくると思うと、気分も幾らか良くなるのであった。
(二人の様子を探ってもらおうと、ユリウス王子に思っていたのに、あちらから来るとは……。婚約を結んだのは偶然だったのだろうか。いや、しかし、油断は禁物)
ゆるくなった口元を引き締める。
「ベネディクト総大司教、ヴァルハラの船が見えてまいりました」
若い神官の声に、ベネディクトは柔らかい笑みを見せる。
「本当ですね。ユリウス王子殿下にもお伝え下され。私が一足先に向かっておりますから」
ベネディクトにそう言われ、彼は一礼して王子が待機している教会へと急いだ。
(ヴァルハラらしく真っ黒な船で来たか)
白い法衣を着たベネディクトは黒い船を海上に見つめて目を細めるのであった。




