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“視える”王女と、隠された真実~元敵国の第二王子は何故か私にだけ笑みを見せる〜  作者: 間波 結衣実
5章 慣れてしまったモノ

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5-11 : その一言で、全部報われた気がした


 ◇


 会場から近いという理由でルミナの部屋に体を滑り込ます。


 背後でドアを閉めたジークは一息ついた。


 良好な関係の婚約者であるとアピールできれば、ルミナへの当たりは強くないものになるだろうと思っていたので、彼なりに気が張っていた。


(愛想笑いは疲れる)


 真顔が多いためか、緊張のせいか、顔の筋肉が痛いような気がした。


 首を伸ばす程の余裕ができてやっと、自分に背を向けてに立っているルミナの顔が、夕焼けほど赤くなっていることに気が付いた。


「熱でもあるのか?」


「誰のせいよ!」


 キッと赤い顔でルミナは睨む。


「……俺か?」


「ジーク以外の誰がいるのよっ」


 もう!と、ルミナは腕組し、背を向ける。


 ジークも腕組し、今までの行動をさかのぼる。


(あぁ、成程。それにしても……)


 ふんっと怒って背を向けているルミナに目を向けた。


(思った以上だったな)


 ルミナの毅然とした態度を思い出し、彼女を褒めたいと思ったが、褒められたことなどなかった為、なんと言えば良いのか分からなかった。


「……似合っている」


「え?」


 ルミナに振り向かれ、言葉に詰まる。


 容姿の褒め方しか思いつかない自分に嫌気が差したが、間違ってはいない。


「その……ドレスのことだ。それと、今日は上出来だった。嫌な目にあわせたな」


 やっとのことで思いを伝えると、ルミナは嬉しそうに微笑んでいた。


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