5-2 : 君を困らせない自信は、もうない
「……君は、俺をいったいなんだと思っているんだ」
自分をじっと見つめる瞳と、ジークの低く掠れた声に、ルミナの心臓は未だかつてないほど速まった。
「いくらなんでもそんな無防備に甘えられると、俺も男だから、さすがに困る」
そう言ってルミナを解放し、手の甲で彼女の頬を撫でた。
「分かったか?」
やっといつものように柔らかく笑ったジークに、ルミナは安堵し、頷いた。
「……でも、ジーク、イイ人いるんでしょ?」
「イイ人……?」
ジークは手を留め、瞬きする。
「困ってないって言ってた」
あぁと、ジークは納得し、ルミナから手を離す。
「以前は困らない自信があったからな」
それはどういう意味なんだろと、触れそうだった足の指で、ツーっとジークの足をなぞる。
「……ルミナ、俺の話を聞いていたか?」
そう言ってルミナの肩を掴み、押しやる。
そんなジークの頬が、ほんの少し上気しているのをルミナは見逃さなかった。
「聞いてたけど、よく分からなかったわ。つまり?」
せっかくジークが作った隙間をルミナは体を寄せて壊す。
「つまり……」
たまらず体を起こすジークの真似をするかのようにルミナも体を起こした。
「そんな恰好で、俺の前にいるのはよしてもらいたい」
ジークは顔に手をあて、顔を背けた。




