5-1 : 異性として見られない悔しさ
カーテンの隙間から差し込む朝日に、ジークは目を覚ました。
今はもう慣れてしまった匂いと、自分の胸にある温もり。
(やはり、今日もか……)
ルミナはいつもジークの鎖骨から胸元にかけてのどこかに、頭をくっつけて眠っている。
彼女の枕は役割を果たしておらず、ベッドの縁に転がっている。
「……」
ジークはルミナの髪を指で梳いた。
「ん……」
その気配にルミナが薄目を開け、ジークは固まった。
(十も年下で興味などないと言った手前、まずいな……)
どうしようかと思っているジークに、ルミナはとろんとした目でふにゃりと笑った。
「なんだ、ジークかぁ……」
そのまま安心した様子で、ジークの胸元に顔を擦りつけ、また眠ってしまった。
(……どう受けとれば良いんだ……?)
自分を信頼しているということなんだろうが……と、ジークは唸る。
安心され過ぎて溜息が出る。
(確かに、そういう意味で安心して良いと言った。だが……)
何故だが悔しかった。
自分を異性だと思わないのか、当初と違う気持ちなのは自分だけなのか、言いようのない気持ちで、ルミナを胸元から離す。
そのまま幼さの残るルミナの頬に手を添え、顔を近づけた時――
「ん~……」
パチクリとルミナが目を開けた。目の前には青を含んだ黒の瞳があった。
「っ!」
飛び起きようとするルミナをジークは離さなかった。




