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4-19 : 沈んだ心がほどける夜
「上層部って?」
ルミナはコロリとジークに体を向けた。
ジークはほっとして、ルミナに微笑んだ。
「国の政ごとの為に、色んな部署がある。そのトップなのだが、ただのジジイ達だから、気負わなくて良い。服は作る時間がないから既製品を購入するが、良いか?」
「買うの?!」
「婚約者なのに、借り物は可笑しいだろう」
ジークは真顔であった。
(偽りの婚約者に、借り物のドレスって方が、しっくりこない?)
対するルミナも真剣であった。
「言っておくが、公の場では君は俺の”本物”の婚約者なのだから、仕立屋から変な目で見られるようなことはするなよ」
ジークのその一言で(それもそうね)と、ルミナは承諾した。
「明日は俺の婚約者として振舞うように。今度こそ、おやすみ」
ジークは上を向いて目を瞑る。
「おやすみ」
ルミナもジークを真似て上を向く。
まだ見慣れない天蓋に、目を瞑ってお別れする。
ルミナの心には、もう兵士のことなどどこにも残っていなかった。




