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4-16:黒い王子、再び姫の頬を掴む
「いないわ。作り話よ」
精霊王の存在を信じるなんて……と、ルミナは微笑ましい気分になった。
「彼は君のような癖のある黒髪の長髪で描かれているな。他の絵本にもこの姿で?」
「そうね。精霊王と言えば、黒髪・黒目……ジークと同じだわ!」
パアとルミナは笑顔になった。
(黒髪・黒目か……)
ジークは目を伏して、顎に手をやる。
「ジーク?」
絵本を閉じたルミナが不思議そうにジークを見ている。
「いや、なんでもない。話は変わるが、交換留学生としてゼニウスに行くことになると思う」
「えっ?!」
ルミナが閉じた絵本をぎゅっと胸に抱いた。
「何日行くの? すぐ帰ってくる?」
まだ慣れてないヴァルハラに残るのが不安であり、ルミナは思わずジークを服を指でつまんだ。
「まだ決定ではないが、ルミナ、君の行くからそのつもりで」
「そう……なんですって?!」
あまりのことにルミナはジークの肩を掴んだ。
「ジークは私が捕まっても良いって、言うの?!」
ルミナは掴んだ肩を前後に揺らす。
「いや、落ち着け」
「落ち着けないわよ~!」
ユサユサと前後に揺られるジーク。
「だから、落ち着けって」
初日同様、両頬を掴まれ、ルミナは動きを止めた。




