4-13:ジークの理性
※ジークが視線を逸らす理由は前話から続いています。決して怒ってる訳ではありません。
(……なんか怒ってる?)
全く自分を見ないジークに、ルミナは顔を傾げ、今日のことを振り返る。
(ジークの傷を治して、一緒に朝食を摂って、それから……)
はっとルミナは顔を険しくした。
(ユーリさんかな? 城の案内断わっちゃったし……)
顎に手をあて、う~んとルミナが唸っていると、コンコンッとノックがし、ドアが開いた。
「あ、あの……」
ユーリのことを聞こうと顔を上げると、バサッと何かが降ってきた。
「きゃっ! な、なに?!」
手に取ると、細かい刺繍の入った長方形の布であった。
「……肩が出ていると体調を崩しやすいらしい。こうやって、肩に巻いておくと良い」
そう言って、さりげなくジークは、肩と共に胸の谷間を布で隠し、持ってきた飾りの付いたピンで留めた。
(よし)
不信がる様子もないルミナに心の中でジークはそう呟いた。
むしろルミナは、ジークが自分の心配をしてくれたのだと、好意的に彼の行動を受けとり、頬を染めた。
(後は、足だな……。顔を見た際、そこまで視界に入ってくるものではないから良いか)
大丈夫だなと、一人頷く。
「狭いが、窓際の机を使うと良い」
「うん」
笑顔で髪と筆を手にしたルミナが机に向かって歩き出した。
「……」
ルンルンで机に向かうルミナを見送ってしまったジークは、ベッドに伏せた。
(……駄目だった)
ルンルンで机に向かうルミナを見送ってしまったジークは、ベッドに伏せた。




