4-12:薄い夜着には困る
「相変わらずだな」
笑いを含んだ声に、ルミナは眠い目をこすり、上半身を起こした。
「ノックー」
「したが、聞こえないくらい寝ていたのだろう」
そう言いながらルミナに近づいていた足を、ジークは留めた。
(……父の言いたいことは分かった。だが、薄い夜着を用意するのは止めてもらおう)
いつもより露出の多いルミナにジークは困り、小さく息を吐いた。
ルミナは軽装に慣れている為、胸元の開きも、丈の短さについても、何も思っていなさそうである。
「……あれ? その本……」
ジークが持っている絵本に見覚えがあった。
「あぁ、これか」
ジークは持っている絵本の表紙を見る。そこには”精霊王と七人の姫”とタイトルが描いてある。
「夕刻、君の父からこの手紙と、何冊かまた本が送られてきたんだ」
あまりルミナを視界に入れず、本に挟んであった手紙を渡す。
「ありがとう!」
嬉しい手紙にルミナは目が覚めた。
ウキウキと開封すると、懐かしい癖のある字が目に飛び込んできた。
(お父様……)
ルミナは手紙を胸に抱いた。そこにはルミナを案じる言葉が並んでいたのだ。
(私は元気だってお返事書かなきゃ。それと、意外とジークとは話の分かる人だって書いた方が安心するよね……?)
自分に背を向け、ベットに腰かけているジークに目を向けた。
「ねぇ、手紙書いても良いかな?」
「構わない。持ってこよう」
ルミナを見ることなく、ジークが立ち上がった。




