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4-11:黒い侍従が影として動く
「……ゼニウスの王子が交換留学の体でこちらに来る」
「それは、それは……。それで、私はどちらに?」
ユーリは笑みを向ける。
「従者の数はゼニウスに合わせようと思っている」
チラリとジークはユーリに黒い瞳を向けた。
「御意。それでは私は一足先に」
「ユーリ、向こうにカラスはいないから伝達は……」
「そうでしたね! では、先に狩りに行って参ります」
「くれぐれもバレるなよ」
「勿論です。……おっと、それは”姫様に”と言う意味でしたか?」
「両方だ」
「かしこまって候」
ユーリは恭しく頭を下げると、満面の笑みを浮かべて部屋を出て行った。
情報収集力においてユーリの右に出る者はいない。
(あえてルミナも行くことを告げなかったが、後で文句でも言われるだろうか……)
シオンのようにルミナに対する認識を良くして欲しい。だが、そこまで願うのは欲深いことだと、ジークは前髪を掻き分け、窓から流れゆく雲を暫く黙って見つめていた。
◇
「ふぅ……」
ヴァルハラにきて幾日経ったが、湯あみにまだルミナは慣れなかった。
火照る体をベッド上で転がす。
(湯あみって疲れる……)
いつも通り睡魔に襲われ、ルミナはウトウトし出した。




