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ep.05 光の魔法
ゼニウスでは『聖教団』の総大司教・ベネディクトが一人、険しい顔で唸っていた。
(このタイミングでルミナがヴァルハラに行くとは、捕えようとしたことがバレているな? しかもあの王子の婚約者とは……これでは簡単に手出し出来ぬ)
窓ひとつない地下室では煌々と蝋燭の炎のみが光を放っている。
(報奨金の話をした男どもの乗った船は転覆し、泣いて奴らは戻ってくるし、何もかもうまくいかぬ)
それもこれも、あの金色の瞳をもつルミナが全ての属性の精霊を見れる事が原因なのだろうとベネディクトは思っている。
「こうなったら秘かに動いてはならぬな。堂々といこう。堂々と」
髭で囲った口元の口角をニヤリと上げる。
それは決してゼニウスの民の前では見せぬ顔であった。
ゼニウスの王から信頼の厚いベネディクトは普段、穏やかな笑みを湛えているのだ。
(あの、ボンクラな王子に動いてもらおうか)
くっくっくと、ベネディクトは他の誰もいない部屋で低く喉を鳴らして笑うのだった。




