ep.02―4
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ジークの部屋は簡素であった。
執務用の机に、机を挟んで向かい合ったソファの他には本棚しかなかった。
ジークはソファに座るよう言うと、銀製のグラスにレモン水を注いだ。
ルミナをそれを受け取り、反対側のソファに座るジークを見た。
(……意外。ユーリさんを”お前”呼びしたのに、私には”君”って言うんだ)
目の前のジークは感情は読み取れないものの、嫌な感じはしなかった。
むしろ、ユーリの態度に思うところがあったルミナにしたら、ジークの態度は好ましかった。
今も不躾にルミナを見ることもない。
ここにくるまで付いてきヴァルハラの男は、ルミナが動き易いよう選んだ足の出ている服に対して、興味のある目を向けている者もいた。そんな男の体は屈強であり、腕なんかはルミナの太ももほど太く、ジークがこんな感じだったらどうしようと、秘かにルミナは心配していたのであった。
「……単刀直入に聞く。ゼニウスが何故、君を狙っているのか、知っているのか?」
二人だけの部屋にジークの声が響き、彼の瞳がルミナを射貫く。
「いいえ……」
高圧的な態度だと感じなかったが、ジークからは嘘を許さぬ雰囲気が感じられた。
「そうか」
落胆したのだろうか。
ジークは水を一口飲んだ。
ルミナも水を含む。
そして酷く喉が乾いていたことにやっと気が付いた。
ごくごくとレモン水に夢中になり、飲み干すと、いつの間にかジークの姿が目の前のソファから消えていた。
(あれ?)
そう思ったとほぼ同時に、自分の座っているソファが軋んだ。
見ると端正なジークの顔がすぐすばに。




