ゲームは遊戯3
プラズマはこばるととサヨを連れ、とりあえず一度ワイズの居城から出た。
「天御柱、進展したら話してくれ」
「ああ、逢夜に説明に行かせる。だから、今は待っていてくれ。ワイズが動けない」
みーくんはあくまで味方の立場をとっていた。
芸術神は東のワイズ軍だがどうやら単独犯でワイズとは関係がなさそうだ。
「一度、戻るよ。時神に被害が多数出ているんだ。文字通り、怪我や心傷だ。原因究明と高天原裁判はしっかり俺達と関われよ、天御柱。ワイズにも言っておけ」
「ワイズはわかってるさ。俺もな。だから、しばし待てよ。ワイズがこうなったのはお前がアマテラスを思い出したからだ。この隙を狙った芸術神の犯行なわけ。アマテラスを思い出すキッカケになったのはあの女だ」
みーくんは静かにプラズマを睨み付けた。
「リカは仲間だ。それを言うならばそもそも、アマテラス様が世界改変を行ったのが問題だ。それに乗ったあんた達も同罪だよ」
プラズマの言葉にみーくんはわずかに眉を寄せた。
「お前があの時、壊れたから未来を繋ぐためにやったんだよ。人間の戦争くらいで壊れやがって」
「人間の戦争を甘く見るんじゃねぇ!」
プラズマが突然、声を荒げ、こばるととサヨは肩を上げて怯えた。
「人間は……ひどいんだ……。あんなもの、見せられる俺の気持ちにもなれよ。未来が消えていく怖さ、先が見えなくなる怖さ、未来に笑顔がなくなる恐怖は、俺にしかわからねぇんだよ……」
「だろうな。お前、人災じゃなく、地球が起こす厄災を全部自分のせいにされたことあるか? 俺の気持ちもお前にはわからないさ。希望の太陽神がこんなんで荒れんなよ。これを言ったら話がまわるだけだがな、そもそもお前が人間の戦争で壊れたからいけないんだ、それは事実だぜ」
みーくんはハッキリとそう言った。
思い出してしまったプラズマにもう容赦はなかった。
「なんで、俺はデータが壊れかけてしまったんだろう。だが、あれを見て壊れないことなんて……」
「……お前がそれだけ『人間』だったということだろ? もういいぜ、めんどくさい。あの時代の戦争は人が死にすぎた。下手したら地球がなくなるかもしれねぇもん作ってたんだ、この世で一番怖いのは人間だ」
「ちがいない」
みーくんの言葉にプラズマは小さく頷いた。
「もう、行けよ。ここにはもう、何にもないぜ。後は逢夜からの情報を待て」
「……わかった。今回は退く」
プラズマはみーくんを見ずに鶴を呼んだ。こばるととサヨは顔を見合せ眉をやや寄せたが、プラズマに従い、去っていった。
弐の世界内で不思議な忍者の魂から逃げたトケイとスズはプラズマからの電話を聞いていた。
「……サヨちゃんが見つかったみたい。高天原東に単独で乗り込んでいたらしいよ。サヨちゃん……無茶しないでほしいなあ……。まあ、無事だったから良かったけども」
「プラズマ達も外に出られてるってこと?」
スズは心配そうにトケイに尋ねた。
「話によると、芸術神ライに助けられたらしい。後にアヤから連絡があって、栄次達もゲーム世界から出られているとの話だよ。更夜がなんかしたみたいで、こちらは芸術神ユイが外に出したって。アヤ達と更夜達はあの後、別々のゲームに閉じ込められたみたいで、詳しくはおうちで話すって。ちょっと複雑みたい」
「首謀者達に助けられたってこと? 更夜が何したかなんとなくわかるけど……とりあえず、皆無事なんだね?」
スズの問いにトケイは唸っていた。
「うーん。無事というわけではなくて……怪我はしてるみたいなんだ。僕達はさっき、何かを探している芸術神セイとそれに付き添う強い忍者の魂に会った。これは時神達に話さないといけない。とりあえず、皆、今は時神のおうちにいるみたいなんだけど、サヨちゃんの力で僕達が住んでいる方のおうちに来てくれるみたいだから、家に帰ろう」
「……うん、そうだね。さっきの忍者について……更夜にも言いたいし」
スズはなんとも言えない顔でトケイにおんぶされていた。




