無能だと追放された僕ですが、ダンジョンが謎すぎます
「相変わらず仲が良かったなあ。」
書斎の席につきながら、ただひたすら山積みの書類整理を行う。
ふと窓の外を見ると、仲良く並んで帰る五知将の姿。
僕が思い出したのはあの言葉。
『あなたの能力は強力ですーーーが、制御不能ならば単なる足手纏いなのです。』
『どうか..どうか...消えてくれ』
離れないあの言葉と、ただただ過ぎるこの決意。
「今度こそーー守らなければ。」
新たなるカオスと問題の続出。
新たな結成と、違法...我が国を危険に犯すものなら、
対処しなければ。
僕はもう一度窓の外を見てから。
僕は一度ため息を吐いてから立ち上がった。
書室の左から三番目の本棚。
上から二段目、左から三番目の本を開くと、とある鍵が隠されている。
その金色の鍵は、隠された地下への入口だ。
響くのは鉄の音。
技術を超えた画面の数々。
赤、黄、青、紫ーー数々に光る色とりどり。
各ダンジョンの設計図や監視カメラ。
6年たった今でも慣れない。
ただ無音の中、
ただ操作を続ける。
そんな繰り返しの日々に、ため息を吐くだけだった。
「変化なし...」
見ていたのはこのダンジョンの設計図。
99階層にはダンジョンの民が住まわる町が建造され、
100階層には血族外の民の、小規模ながら発展した町が位置され、
101階層では主に拷問部屋、軍事基地、玉座の間、管理室、など国家機密が配置されている。
「(本当に...)本当に...不思議だ。」
このダンジョンは50階層以降は、99%不可能に近い探索構造になっている。
魔物の出現も少なく、ダンジョンとして。機能していない。
まるで....
「まるでこのダンジョン自体が。住まいを目的にしたような構造だ。」
履歴を調べたが、過去のダンジョン王の中で、ダンジョンの秘密を解明できたものはいない。
ーーとすると。
「まるで意図が絡まっている。
ダンジョン、民、王の継承。
その文化を数千年維持する術式など、本来は不可能。」
そもそも、ダンジョンの王というのが不可解だ。
ダンジョンは自然形成されるーー自然形成されるだけの存在なら、
王を必要とする理由が存在しない。
自然物なのに“システム”がある...この仕事のーー意図、根源は。
「これは...ダンジョン結成者ーー初代ダンジョン王。
マリエス・サリエーヴァの存在を疑うべきか。」」
繋がる意図。意味が繋がる唯一の事実。ーーそれは。
初代のダンジョン王、マリエス・サリエーヴァは生きているということだけだ。
「ふざけるなダンジョンの管理者は僕...いや。
俺の仕事だ。全ての悪と善を判断し、”ざまあ”を決める。
俺ができる唯一の役割だ。」




