51『1次選考結果発表』(お楽しみ)
『第30回ライトノベル大賞 応募総数4,570作品 たくさんのご応募ありがとうございました! 1次選考通過178作品』
一ヵ月後の昼休み。
キトンは校舎棟の階段を、三階目がけて駆け上がっていた。
「はぁっはぁっはぁっ……!」
三年A組の教室に駆け込む。
三年生たちの視線が一斉に襲いかかってくる。
普段のキトンなら悲鳴を上げていたかもしれないが、今は気にならなかった。
「ブンせんぱっ……げほっげほっ」
窓際の席で目を真ん丸にさせているブンの元に、キトンは駆け寄る。
「え、誰この子」
「夏目さんの知り合い?」
三年A組全員の視線が、ブンに集まる。
ブンが顔色を悪くさせている。
「わ、私は、その……」
クラスの空気が変な感じになりそうになった、そのとき。
「ブンちゃん!」
ヒカルの高い声が、教室を貫いた。
とたん、視線が教室の入口――ヒカルの方に集まる。
他クラスからやって来たヒカルが、キトンとブンの手を取る。
「うるさくしてごめんね~。この子、アタシらの部活の後輩で。ほら、ブンちゃん、部室でお弁当食べよ」
キトンは少し気まずかったが、そんなことよりも、早くブンに伝えたいことがあった。
部室に着くやいなや、
「『こいつをどう思う?』」
ライトノベル大賞のWebページを見せる。
『1次選考通過178作品――猫又しっぽ「デビライズ・ダンジョンズ」』
「おー、おめおめ」
軽い感じで祝福してくれるヒカルと、
「おめでとう、キトン」
いつもの調子で微笑んでくれるブン。
「だが、二次、三次、最終と残っている。喜ぶのはまだ早いよ」
叱られたのかと思い、キトンはしゅんとなる。
「あぁ、違う違う。あれほどの出来栄えなのだから、一次通過くらい当然だって言ってるのさ」
キトンは目を輝かせた。




