47『テーマパークに来たみたいだぜ。テンション上がるなぁ~』(お楽しみ)
というわけで、子猫のようにプルプルと震えるキトンは、先輩二人に首根っこをつかまれて街に出てきた。
JR三宮駅、百万都市神戸の中心地だ。
センター街を歩いていると、右も左も陽キャに支配されているような気がしてきて、キトンは消滅しそうになる。
顔面のパーツがぎゅっと中央に寄った。
せめてもの抵抗として、語録を使う。
「『テーマパークに来たみたいだぜ。テンション上がるなぁ~』」
「漫画『野原ひろし 昼メシの流儀』のセリフだね。曰く『焼け野原ひろし』――って、くくくっ、キトン、なんて顔をしているんだいキミは」
「ふ、ふえぇ……」
自分より背丈の低いブンの背中に、キトンは必死に隠れようとする。
「ほ~らっ、胸を張りなさい」
ヒカルにバシンッと背中を叩かれた。
「私たちは天下のJK様なのよ。無敵の存在、世界のすべて」
「世界のすべてはさすがに言いすぎ」
ブンがキトンを見上げてきた。
「予算はどんな感じだい?」
「『こちら、十四万三千円になっております』」
「『十四万⁉』 って淫夢語録はもういいから。さすがに十四万円も持ってないよね?」
――こくこくこくっ
「ええと、一万円くらいはいけるってことかい?」
――こくこくこくっ
「じゃあ」
ブンがヒカルを見上げる。
キトンほどではないが、ヒカルもブンより背が高い。
「マルイだね」「マルイよね」
連れてこられたのは、百貨店のような大きな大きな建物。
中からは異次元めいた『陽』のオーラが溢れ出てきている。
看板の文字は、
「……おいおい?」
「OIOIだよ、キトン」
ブンに手を引かれ、キトンはおっかなびっくり中に入る。
「ヒカル、何から見る?」
「気が早い店が、もう出してるみたいよ」
ニンマリと微笑むヒカルが、ポスターを指さした。
写っているのは、
(みっっっ、水着⁉)




