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ハミルトン伯爵が幸せになるまで:22

やばいな‥飛ばさないと終わらない

再教育リブートとは、英国社交界へ送り出すため狂犬お嬢様(拓海)の生活習慣を矯正しようとした長姉(詩織)が、開始十分で「これは一日では無理ね」と悟る現象のことであるという話』


【女子寮・拓海の部屋】

~地獄の再教育開始~


翌朝

女子寮の一室。


「今日から再教育よ。」


仁王立ちする長女・詩織。


ベッドの上でごろごろしていた拓海は、心底嫌そうな顔をした。


「えぇーー……(=_=)」


「返事。」


「えー。」


「返事。」


「……はい。」


まずは部屋。


「掃除。」


「えー。」


「服は畳む。」


「なんで?」


「スカートで胡座をかかない。」


「無理^^」


「言葉遣い。」


「おう!」


「違う。」


開始十分。

詩織は額を押さえた。


「……これは一日では終わらないわね。」


拓海は嬉しそうに頷く。


「じゃあ今日は終わり?^^」


「終わりません。」


「明日は歩き方。」


「その次は座り方。」


「その次は食事のマナー。」


拓海は天井を見上げた。


「……ぅぇぇぇぇ。」



【夜】

~姉のため息~


一通り片付けが終わる頃には、時計は八時を回っていた。


「夕飯は?」


「まだー。」


「何食べたい?」


「ラーメン^^」


「……分かった。」


台所へ向かおうとした詩織は、不意に足を止める。


「拓海。」


「ちゃんとお風呂入ってる?なんか匂うんだけど?」


「入ったぞ。」


「いつ?」


「五日前^^」


詩織の動きが止まった。


「…………。」


「寒いし。」


「汗かいてないし。」


「大丈夫だろ?^^」


「大丈夫じゃありません。」


次の瞬間。


「今すぐ入りなさい!!」


「えーー。」


「舌打ちしない!」


「(・д・)チッ」


「拓海ぃぃぃぃ!!!!」


女子寮に長女の雷が落ちた。



【ハミルトンホール】

~幸せな勘違い~


その頃。


ハミルトンホールでは。

窓の外を眺めながら、エドワードが静かに微笑んでいた。


「……今頃。」


「拓海嬢は、お姉様と楽しく過ごしておられるのだろうな。」


翡翠の瞳はどこまでも幸せそうである。


ジョージは新聞から目を離さず呟いた。


「うん。」


「たぶん今頃、お姉さんに怒鳴られてるよ^^」


エドワードは穏やかに首を振る。


「そんなはずはない。」


「お二人は、とても仲の良い姉妹だからね。」


その頃、女子寮。


「拓海ぃぃぃぃ!!!!」


「ギャーーー!!」


ロンドンの夜空へ響く絶叫を、エドワードだけは

最後まで幸せな姉妹の談笑だと信じて疑わなかったのだった……(笑)。


ここまで読んでいただきありがとうございます。


悠馬君の父、佐伯拓海と、ノアの父、エドワード・ハミルトンのお話です。


いいねや感想など、いつも励みになっています。

この話もゆるく続いていく予定なので、

また気が向いたときに覗いていただけたら嬉しいです。

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