ハミルトン伯爵が幸せになるまで:2
僕ラブコメ初めて書くんだけどこれでいいのかわからん(`・ω・´)
『擬態(お嬢様)とは、名門校の校門を一歩出た瞬間、完璧な令嬢から街を駆け回る正義の狂犬へ換装する、佐伯拓海の青春スタイルのことである』という話
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【お嬢様学校・校門】
~擬態解除、一秒~
「ごきげんよう、お姉さま。」
「ええ、ごきげんよう。……ごきげんよう^^」
夕暮れ
厳格な私立お嬢様中高一貫校の校門前。
佐伯拓海は、誰が見ても非の打ち所のない良家の令嬢だった。
背筋は真っ直ぐ
歩幅は上品に
笑顔は柔らかく
教師も保護者も、口を揃えて言う。
「なんて素敵なお嬢様でしょう。」
しかし
校門を出て、防犯カメラの死角へ入った、その一秒後。
「ふぅ~~~~っ!!」
第一ボタンが外れる。
窮屈だったリボンをほどき、長いスカートを歩きやすく折り上げる。
校則ギリギリ……いや、完全アウト。
拓海専用『放課後仕様』への換装が完了した。
「息が詰まるぜ!^^」
肩をぐるりと回して空を見上げる。
「やっぱ外は最高だな!」
さっきまでのお嬢様は、もうどこにもいなかった。
身長約170センチ。
モデル顔負けの整った容姿。
街を歩けば誰もが振り返る。
だが本人は、そんなことを一ミリも気にしない。
興味があるのは、
今日の夕飯と、
面白いことと、
困っている人だけだった。
「お姉さま!」
後ろから後輩たちが駆け寄る。
「駅前で男の人が絡まれてます!」
「ああ?」
拓海は眉を上げる。
「どこのバカちんだ。」
次の瞬間には走り出していた。
「おいコラ!!」
ガハハ、と笑いながら飛び込んでいく。
”困っている人を見れば放っておけない”
それが佐伯拓海だった。
校内では「完璧なお姉さま」。
放課後は「面倒見のいい姉御」。
その二つの顔を器用に使い分ける毎日である。
もちろん何度か学校に見つかり、
【謹慎処分】
そのたびに母・絢子は頭を抱えた。
「……どうしてあなたは校門を出ると五分で正体がバレるの。」
「え?^^」
本人には、何が悪いのかさっぱり分からなかった。
◆
【佐伯家・居間】
~高校二年・冬~
「付属大学へ進みなさい。」
母の一言に、
佐伯家の空気が止まった。
「……嫌だ。」
珍しく静かな声だった。
「俺はイギリスへ行く。」
兄と姉が卒業した大学。
ずっと憧れていた場所。
「成績は足りてる。」
「英語も問題ない。」
「だから行く。」
絢子はため息をついた。
「あなたを海外へ一人で行かせられるわけがありません。」
「なんで。」
「あなた、自分がどれだけ危なっかしいか分かってる?」
「全然。」
「分かってないから言ってるのよ!」
拓海は腕を組んだ。
「俺を抑えられる奴なんて、地球上にいねぇんだよ!!!^^」
その言葉に、
父・和也は天井を見上げ、
母・絢子は額を押さえた。
結局
何日にも及ぶ家族会議の末、
両親が折れた。
いや、
折れるしかなかった。
◆
【英国・ロンドン】
飛行機が着陸する。
タラップを降りた拓海は、大きく伸びをした。
「ヒャッハー!!」
青空を見上げる。
「自由だ!!」
その笑顔は、この上なく晴れやかだった。
この時の拓海は、まだ知らない。
「誰にも抑えられない。」
そう言い切った自分が、
遠く英国で、たった一人だけ例外となる青年に出会うことを。
そして、その青年。
エドワード・ハミルトンもまた、
この日本人留学生に一目惚れし、
人生最大の勘違いをしたまま、
幸せへ向かって一直線に転げ落ちていくことを、
まだ何一つ知らなかった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
悠馬君の父、佐伯拓海と、ノアの父、エドワード・ハミルトンのお話です。
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この話もゆるく続いていく予定なので、
また気が向いたときに覗いていただけたら嬉しいです。




