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ハミルトン伯爵が幸せになるまで:2

僕ラブコメ初めて書くんだけどこれでいいのかわからん(`・ω・´)

『擬態(お嬢様)とは、名門校の校門を一歩出た瞬間、完璧な令嬢から街を駆け回る正義の狂犬へ換装する、佐伯拓海の青春スタイルのことである』という話


*******************


【お嬢様学校・校門】

~擬態解除、一秒~


「ごきげんよう、お姉さま。」


「ええ、ごきげんよう。……ごきげんよう^^」


夕暮れ

厳格な私立お嬢様中高一貫校の校門前。


佐伯拓海は、誰が見ても非の打ち所のない良家の令嬢だった。


背筋は真っ直ぐ

歩幅は上品に

笑顔は柔らかく


教師も保護者も、口を揃えて言う。


「なんて素敵なお嬢様でしょう。」


しかし

校門を出て、防犯カメラの死角へ入った、その一秒後。


「ふぅ~~~~っ!!」


第一ボタンが外れる。

窮屈だったリボンをほどき、長いスカートを歩きやすく折り上げる。

校則ギリギリ……いや、完全アウト。


拓海専用『放課後仕様』への換装が完了した。


「息が詰まるぜ!^^」


肩をぐるりと回して空を見上げる。


「やっぱ外は最高だな!」


さっきまでのお嬢様は、もうどこにもいなかった。


身長約170センチ。

モデル顔負けの整った容姿。

街を歩けば誰もが振り返る。


だが本人は、そんなことを一ミリも気にしない。


興味があるのは、


今日の夕飯と、

面白いことと、

困っている人だけだった。


「お姉さま!」


後ろから後輩たちが駆け寄る。


「駅前で男の人が絡まれてます!」


「ああ?」


拓海は眉を上げる。


「どこのバカちんだ。」


次の瞬間には走り出していた。


「おいコラ!!」


ガハハ、と笑いながら飛び込んでいく。


”困っている人を見れば放っておけない”


それが佐伯拓海だった。


校内では「完璧なお姉さま」。

放課後は「面倒見のいい姉御」。


その二つの顔を器用に使い分ける毎日である。


もちろん何度か学校に見つかり、


【謹慎処分】


そのたびに母・絢子は頭を抱えた。


「……どうしてあなたは校門を出ると五分で正体がバレるの。」


「え?^^」


本人には、何が悪いのかさっぱり分からなかった。



【佐伯家・居間】

~高校二年・冬~


「付属大学へ進みなさい。」


母の一言に、

佐伯家の空気が止まった。


「……嫌だ。」


珍しく静かな声だった。


「俺はイギリスへ行く。」


兄と姉が卒業した大学。

ずっと憧れていた場所。


「成績は足りてる。」


「英語も問題ない。」


「だから行く。」


絢子はため息をついた。


「あなたを海外へ一人で行かせられるわけがありません。」


「なんで。」


「あなた、自分がどれだけ危なっかしいか分かってる?」


「全然。」


「分かってないから言ってるのよ!」


拓海は腕を組んだ。


「俺を抑えられる奴なんて、地球上にいねぇんだよ!!!^^」


その言葉に、

父・和也は天井を見上げ、

母・絢子は額を押さえた。


結局

何日にも及ぶ家族会議の末、

両親が折れた。


いや、

折れるしかなかった。



【英国・ロンドン】


飛行機が着陸する。

タラップを降りた拓海は、大きく伸びをした。


「ヒャッハー!!」


青空を見上げる。


「自由だ!!」


その笑顔は、この上なく晴れやかだった。


この時の拓海は、まだ知らない。


「誰にも抑えられない。」


そう言い切った自分が、

遠く英国で、たった一人だけ例外となる青年に出会うことを。


そして、その青年。


エドワード・ハミルトンもまた、


この日本人留学生に一目惚れし、

人生最大の勘違いをしたまま、

幸せへ向かって一直線に転げ落ちていくことを、


まだ何一つ知らなかった。


ここまで読んでいただきありがとうございます。


悠馬君の父、佐伯拓海と、ノアの父、エドワード・ハミルトンのお話です。


いいねや感想など、いつも励みになっています。

この話もゆるく続いていく予定なので、

また気が向いたときに覗いていただけたら嬉しいです。

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