神選組異聞録

　目には目を──
　剣には剣を──
　そして異能には異能を──。
　たとえ異能を持つ者が皆、異能で滅びようとも。


　──それは唐突にやって来た。異界からの来訪者＜界異＞により、終末がもたらされ、世界は滅亡の危機に瀕する。

　終末の動乱期、天からの授かりものいわゆる天能及び神州八島日乃国を統べる天能皇家を尊び、世界の理から外れた界異や界異が憑いた禍異物を異狄として討つ尊能攘異運動が各地で起こり、攘異戦争が勃発した。

　攘異戦争の最中、神州八島日乃国天能皇家の神具夜姫は、魂約結能の儀式により、結能品として、八本の盟神太刀を授けられた。

　神打の代償として、魂睡状態に陥った神具夜姫に代わりに、「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の御珠を柄頭に持つ神剣八刀と百の影打が、各地にばら撒かれる。界異を祓い異狄を討つ攘異の名の下に、聖痕を持つ攘異志士は八咫烏に導かれ、結集し、対刀伐執行剣兵部隊＜神選組＞を結成した。これは終末を駆け抜けた漢達の物語である。