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『皇国戦記ヴァーミリオン 〜されど男は鉄の棺桶で笑う〜 』―旧式機兵で挑む、圧倒的劣勢の極寒遅滞戦―  作者: ざびお
第一章 遅滞の冬

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第8話 遅れて届く雷鳴

カムイ高原はすでに夜の帳が降りていた。未だ積雪の残る帝国前哨拠点では、従卒オーディナリと呼ばれる非戦闘員たちが、電動融雪カッターと除雪機を手に、交代で天幕周りの雪掘りに追われていた。掘り出した雪は周囲に固め積み上げられ、厚さ数メートルの雪堤となって天然の防風壁を築いていく。


電気技術の発達した帝国では、ガスタービン発電機により、機械的な融雪や拠点と拠点をつなぐ簡易的な道路工事などが行われていた。


前哨拠点にいくつも建てられた大小の天幕も、本来であれば一晩で雪の重みに圧壊する過酷な環境だが、アリアト帝国軍の野戦本営は違っていた。高強度アラミド繊維にカーボン電熱メッシュを編み込んだ三重耐雪シートの生地そのものに通電することで、降り積もる雪を瞬時に滑落させていたのだ。本営に随伴する大型発電車からは太い給電ケーブルが張り巡らされ、アレクサンドラが座乗する重装指揮車の電気温水ボイラーと暖房をも昼夜を問わず稼働させていた。


外の氷点下の地獄とは隔絶された車内の一角、白く温かな湯煙が立ち込める特設浴室。


白樺の木材で組まれた深めの浴槽の傍らで、アレクサンドラは二人の侍女に首筋までその彫刻のような肢体を洗わせていた。


腰まで届かんばかりの豊かな金髪を高い位置で束ね、その身を完全に委ねていた。


なめらかな白磁色の素肌を細い指先が泡を立てて滑っていく。豊満な双丘を超え、無駄なく引き締まりながら女としての柔らかさを保った奇跡の体を、侍女たちは羨望と感嘆の入り交じった眼差しでいたわり続けていた。


「流しますね」


体の泡を湯で流し、隠すものがなくなった状態で湯舟へと体を沈めた。


「ふぅ」


吐き出された吐息とともに、アレクサンドラは透明な湯の中で疲れをほぐしていく。戦場での贅沢を許されている自覚は、アレクサンドラ自身にもあった。


第一機兵師団の将兵にとって、アレクサンドラは決して揺らいではならない生ける偶像である。どれほど泥濘にまみれようと、吹雪に凍えようと、彼女が美しく清潔であり続けることこそが、凍傷と死の恐怖に怯える兵たちを繋ぎ止める唯一の信仰だった。だからこそ、彼女は毎日の湯あみと身繕いを己に課した絶対の規律としていた。


しかし、兵たちの前で見せる冷徹な戦姫の仮面はそこにはない。蒸気に紅潮した頬と潤んだ瞳は、うら若き女そのものだった。


権威の衣をすべて脱ぎ、素肌をさらして侍女たちの世話を受けているこの時間は、アレクサンドラにとっても己を出せる貴重な時間だった。


「殿下、湯加減はどうですか」


年少の侍女カーチャが湯加減を確かめながら、雪解け水を沸かした温水を木桶から静かに注ぎ足している。


「いいわ、カーチャ。みんなにも、ねぎらいのために湯につからせてやりたいところだけど」


アレクサンドラは憂いの声でそう告げた。


「殿下、どうやら占領した村で温泉というものがあるみたいですよ。天然の湯があるのだとか」


年長の侍女であるエレーナが優しく付け加えた。


「温泉?この国も意外と捨てたものではないのね。次の要塞を落としたら慰労で兵士たちに開放しようかしら。彼らにも褒美とねぎらいが必要でしょう」


アレクサンドラのつぶやきに、カーチャが食い気味に答えた。


「褒美でしたら殿下!伽の相手をさせてはいかがですか?殿下のお慰みにもなりますし、彼らにとっても栄誉ですよ」


頬を紅潮させ、恋に溺れる生娘のごとき姿であった。エレーナが冷たい視線を向けていて、折檻をするかどうかを悩んでいるようであった。


「まったく、カーチャはおませね」


妹に手を焼く姉のような、慈愛に満ちた声であった。


「夜伽、ね。本国にも男の相手はいたけれど、だめね。心までは満たされないわ。せめて私より強くないと」


アレクサンドラは思案気に湯を掬っては指の隙間からこぼした。


「殿下よりリツァーリを操れる人など、限られていますのに」


拗ねたようなカーチャの声に、アレクサンドラはくすりと微笑む。


「そうね。でも、ゲルマンの話にあったトゥポーイ……話の通りなら、少し気になるわ」


アレクサンドラの瞳は、湯に当てられただけではない熱を帯びているような気がした。


「殿下……」


咎めるようなエレーナの声に、はっとした顔をして、ごまかすようにアレクサンドラは立ち上がった。


「さあ、上がろうかしら。明日に備えなくては」


---


なし崩し的に海燕隊に配属された翌日の昼。カムイ高原の空は、重く冷たい灰色の雲に覆われていた。


雪は降っておらず、風も穏やかだったが、張り詰めた空気の冷たさは肌を刺すようだった。


カムイ要塞の地下格納庫。整備兵たちの怒号と工具の金属音が反響する中、嗣巳の搭乗する第3世代カッパーアサルトがハンガーに直立していた。


脚部の点検口からは、海燕隊専属の整備兵たちが頭を突っ込み、揚力石のパルス同調回路の最終調整を行っている。その傍らでは、二人の兵士が脚立に登り、カッパーの右肩装甲に型紙を当てていた。


プシュー、と黒い油性塗料が吹き付けられる。


型紙が外されると、そこには銅色の装甲に鮮烈に浮かび上がる、鋭利な翼を広げて風を裂く鳥の意匠が刻まれていた。


「へえ、綺麗に吹けたじゃねえか」


煙草を咥えた西守英親が、満足そうに紫煙を吐き出しながら見上げていた。その隣には、防寒軍衣姿の嗣巳が静かに立っている。


「着飾らないことが多い皇国軍では、珍しいですね」


嗣巳が率直な疑問を口にすると、英親はニヤリと唇を歪めた。


「見た目の威圧ってのはな、立派な兵器なんだよ。特に俺たちが相手にしてきた北領の山賊ども――野良機兵の連中には、これが一番効いた。あの黒いツバメを見ただけで、引き金を引く指が震えちまうくらいにな。敵に『あいつらが来た』と思わせたら、その時点で勝ちも同然だ」


英親は煙草の吸殻を靴底で踏み消すと、格納庫の作戦卓へと歩き出した。そこには既に、日高曹長、我妻軍曹、佐伯伍長が集まっていた。


「全員揃ったな。ブリーフィングを始めるぞ」


英親が地図の上に拳を置く。


「そうだな、まずは嗣巳、お前に海燕隊のことを話しておこう」


いつの間にか、下の名前で呼ばれていることに気が付いたが、特別不快ではなかった。


一息ついてから、つらつらと英親は海燕隊について語り始めた。


正規の軍組織の中にあって、治安維持という名の左遷をされた英親たちは、北領で内戦のどさくさで盗み出したカッパーを使い、村や町を略奪した山賊を退治してきたのだという。


そして、その中で彼らが最も得意とした戦術が吹雪下での奇襲作戦であるという。


「それに、もともとは内戦鎮圧のために北から南へ動き回るもんだから、いつしか海燕隊って呼ばれるようになったんだけどよ」


英親は自嘲気味につぶやいた。


「それが今や、年中真冬の北の果てで山賊退治さ。ツバメには向かねぇわな」


思うところがあるのか、日高が慰めるように言った。


「南には冬を越すツバメもいるらしい。この戦争が終われば、また戻れるさ」


どうやら、英親には本国に戻りたいという願いがあるようだった。しかし、今の嗣巳ではその深淵に触れることはまだ難しく、また、触れようとも考えていなかった。


「まあいい。それで今日の作戦なんだがな、佐伯」


英親の合図で、資料を読みながら佐伯が話し始めた。


「まず、気象班の予報と観測データの照合を完了しています。現在はこの通り曇天ですが、気圧の谷が急速に接近中。今日の夕刻から夜半にかけて、視界五十メートル以下の猛吹雪になります」


「よし」


英親が獰猛な笑みを浮かべた。


「仕掛けるのは今夜だ。吹雪の中を奇襲する。真壁の奴はこのまま二週間膠着させようとしているようだが、そう簡単にはいかねえ」


英親は断言した。そして、それは嗣巳も同じ考えであった。


「そうですね。奴らはカッパーの足を持って帰りましたから、なにかしら解析は済ませているでしょう。つまり、足が弱点ということがばれてしまった」


嗣巳の見解に、四人の目が集まった。


「それで?」


薄笑いを浮かべながら、英親が先を促した。とりあえず聞いてやろうという顔だった。


「さすがに揚力石を持たぬ帝国ですし、北領は産地ではありませんから、奴らが冬の機動力を得ることはできないでしょう。ですが、こちらの機動力を奪う方法に奴らは気付きました。足を撃てばいい。ただ――」


「ただ?」


今度は佐伯が先を促す。


「ただ、奴らは今まで遠距離武装を使用していません。めぼしい武装は槍だけしか見ていない。兵站の問題もあるので、ただ渋っているだけかもしれませんが、もし奴らが遠距離武装を取り出し、足元を狙われれば、我々のアドバンテージは無くなってしまいます」


それは当然の懸念ではあった。帝国の技術について知識のない今の皇国の現状では、いったいどこまでの武装を持っているかの判断が難しかった。


「ま、及第点だな。それゆえの吹雪下での奇襲作戦というわけだ。奴らの目を奪っている中、こちらから奇襲をかける」


「なるほど、だから我々だけの方が都合がいいのですね」


少なくとも、自分で戦況や状況を考える頭は持っているらしいと、英親はそう評価した。与えられた命令をこなすだけの兵士では、海燕隊のような遊撃部隊においては価値が無かった。


「そうだ。吹雪下で味方をぞろぞろ連れて行っても邪魔になる。周りは敵だけの方が都合はいいのさ」


嗣巳は英親の駆る機体がカッパーソードであるのも、それが理由なのだろうと思った。


「ですが、さすがに吹雪の中での遠距離狙撃は困難です。スポッターが的確に位置を知らせてくれるのであれば、可能ですが」


嗣巳は自身が狙撃の腕を買われてこの部隊に配属されたと直接聞いていた。


佐伯は、位置を知らせれば狙撃できるという言葉に内心驚きを隠せなかった。


(位置を聞いても無理だろ。暗闇を撃つようなもんだぞ)


「嗣巳、お前の疑問は当然だ。だから、威力偵察もかねて昼のうちに鳴神で奴らを狙撃する」


嗣巳は感嘆した。やはり、この部隊はなかなかに優れた部隊であるらしかった。


「つまりは、奴らの遠距離狙撃に対する対抗手段があるかどうかも見ておこうということですね」


「そういうことだ。細かいことは日高と佐伯から聞け」


投げやりな英親の言葉に、嗣巳は肩をすくませながら日高と佐伯の方を見た。


「距離はどのくらいを想定されているのですか?」


嗣巳が静かに尋ねると、日高が地図上の一点を指差した。


「カッパーキャノンの防衛線から、直接奴らを狙撃する。大体三キロほどの距離感だが、お前なら余裕だろう」


「了解しました」


嗣巳は微塵の動揺も見せず、ただ機械のように平然と頷いた。


「視界さえ良好であれば。問題ありません」


---


帝国のカムイ前線拠点前方に敷かれたリツァーリ前衛横列は、いまだ突破口を見いだせていない、皇国の長距離砲列の壁に対して、監視と威圧を目的として展開された、約百機ほどの部隊であった。


カムイ戦線での睨み合いが始まってからおよそ二週間。変化といえば敵パイロットの交代作業ぐらいで、帝国騎士たちははっきりと油断していた。


「あれはなんでしょうか」


一人の騎士が、リツァーリのメインモニターで動きをとらえた。すぐにその他のパイロットにも伝えられ、皇国側の変化を確認していた。


肩に砲身を載せた長距離型のトゥポーイを押しのけるようにして、二機の新たな機体が現れたのである。リツァーリのモニターを拡大し確認する限りでは、どうやら右肩にツバメを模したエンブレムが描かれているようだった。二機ともにアイカメラに恐らくは遠距離視認用の望遠レンズが取り付けられており、片方の機体はそれに並行してなにやら頭部全体に巨大なアンテナのようなものが取り付けられていた。そして、何より異様なのは、もう一機が、自身の機体と同じほどの大きさの、長大な武装を所持していたことである。


「まさか……狙撃をする気なのか」


彼我の距離は三キロを超えていて、いかにあの長大な武装を用いても正確な狙撃を行うことは難しいと考えていた。


しかし、決して彼らとて無能ではない。


「総員警戒態勢。本部に伝令。皇国軍、新たな機体を確認、狙撃準備に入っている模様」


すぐさまリツァーリは散開し、機体同士の距離を保ったまま、それぞれがシールドを構え身を隠した。リツァーリの大きさではすべてを隠すことはできないが、露出している範囲など限られていて、おおよそ狙撃は不可能である。積雪は、昼夜行われた融雪作業により、十分な機動を確保できるぐらいにすでに処理された後であった。


「しかし、見る限りはただの銃です。我々の装甲を貫けるでしょうか」


「わからんさ。シールドを貫けるとは思えないが。なにか新兵器の実験かもしれん」


帝国騎士の矜持としても、ただ狙撃の可能性を見せられただけで引くわけにはいかなかった。トゥポーイと侮るように皇国の技術力を過小にみているのである。


見れば、すでに敵は射撃体勢を整えたようであった。細かくは見えないが、なにやら器具で機体自体を地面に固定しているようであった。それほどの反動の銃ということである。であればなおのこと、正確な狙撃と連射は厳しいのではないかと考えられた。


「トゥポーイめ……所詮は虚仮威しだろう」


誰かのつぶやきが回線に乗ったが、それはこの場の騎士たち皆が考えていたことであった。


一発目の射撃は誰も知覚できなかった。


ただ、急に一機のリツァーリの頭がひしゃげて、機械油がまるで血のように吹き出し、そのまま背後に倒れたのだ。


何が起きたのか、狙撃された当人も知覚することは叶わなかった。数秒の静寂が訪れたのち、腹の底を揺さぶるような重低音がカムイ高原を揺らした。


ドゥン!


そこで初めて、帝国の騎士たちは事態を把握した。ただし、何を理解すればいいのか、すでに彼らはわからなくなっていた。


「狙撃されています!」


「バカな、シールドからはみ出たこのわずかな頭を打ちぬけるはずがない!」


「一体どれだけの速度で射出しているんだ!音が遅れているぞ!」


大混乱の中、何とか位置を変えようと動揺して動いたリツァーリを、無慈悲な射撃が寸分違わずにまた棺桶に変えていく。


形容しがたい恐怖が騎士たちを襲った。しかし、彼らはまだ冷静さを保ち続けていた。


「全員固まれ! 散開はかえって的だ! お互いのシールドで壁を作るんだ!」


経験からなる指揮官の冷静な指示が下された。騎士たちは周囲の者たちでシールドを並べるように立てかけた。それも二段になるよう、一段目は機体をかがませてシールドを横倒しにし、直立した機体がその上にシールドを重ねるように縦に置いた。


そして、ほかの小隊と合流し、徐々に巨大な壁を構築していった。帝国騎士団の練度を如実に物語る、見事な連携であった。


「射撃間隔が早すぎる!」


「いつリロードするんだ!」


「足を撃たれた! ぐああああ」


それでも、間に合わない何機かがさらなる射撃の犠牲となる。少しでも隙を見せようものなら、正確無比な一撃がたったの一発でリツァーリを沈黙させていた。


「このまま前線拠点まで撤退するんだ! 距離を取れば届かない!」


「シールドは貫かれないぞ!」


完全な壁が作成されると、彼らはじりじりと後退を始めた。相手は無駄弾を決して撃たなかった。


シールドで形成されたスクラムからはみ出さない限り、射撃は行われなかった。しかし、完全に前面をシールドで覆っているため、騎士たちのメインモニターは敵の姿を映さなかった。


射撃は無いが、必ずその銃口はこちらを狙っている。


彼らが前線拠点への撤退が完了するまでの三十分間。それは皇国侵攻作戦を開始した彼らが味わう最初の地獄であった。


撤退に成功したのち、彼らは自軍の被害状況を確認した。


狙撃開始からおよそ十分の間に十機のリツァーリが狙撃され、うち七機は完全に沈黙し機体の回収もできない状態であった。


それは、大川での一敗をも上回る、開戦以来最大規模の一方的な敗北に他ならなかった。前衛部隊が刃を交えることすら許されぬまま蹂躙されたのは、これが初めてだった。


彼らは、報告を聞きつけた参謀から調書を取られるまでの間、誰も沈黙を破ることはできなかったという。


---


キィン!


ボルトレバーが引かれ、鳴神の薬室から排出された最後の薬莢が、積雪の中へジュッと音を立てて沈んだ。


都合十発。そのすべては敵機へ命中し、少なくとも七機は完全に沈黙していた。十分すぎる成果であった。


狙撃で明らかに混乱をしていた帝国軍であったが、さすがの連携か、シールドで完全な防護壁を形成されると、嗣巳も手を出すことはできなかった。


最初の射撃戦は終わりを告げた。


「日高曹長。これ以上は無理です」


日高の返事はなかった。日高は言葉を失っていたのだ。


嗣巳の機体では望遠レンズやもともとの遠距離狙撃の補助ツールが最新技術には及ばないため、スポッターとして日高が同行し、最初の狙撃の情報を伝えたのち、すぐにお役御免となった。


残りの九発はすべて、嗣巳自身が情報を処理し、修正し、発射していた。恐ろしいほどの探知能力であった。


風速などの情報を数字として捉えることしかできないカッパーの狙撃において、考えられぬほどの修正速度であった。まるでカッパー自身と一体化し、彼自身が皮膚や感覚で風の情報を掴んでいるかのようだった。


また、恐るべきはその連射速度であった。


一発目を狙撃し、次の弾丸を装填して反動を抑え込み照準を合わせ直すまでの一連の動作が、およそ一分もかからずに行われていた。鳴神のようなじゃじゃ馬で、信じられない芸当であった。自分が知る狙撃の名手であっても、おそらく倍の二分は優にかかっていたであろう。


嗣巳の持つ圧倒的な異才を、日高は目の当たりにしたのだった。


「日高曹長。敵機は完全に撤退いたしました」


「あ、ああそうだな。作戦完了。これより撤退する」


これほどの神業を繰り広げてなお、やはり嗣巳は冷静であった。


日高は、この男の底知れなさに初めて畏怖を抱いた。


嗣巳の異才を日高の目を通して書きたかった回です。


この先も気になっていただけたなら、ブックマークに入れておいていただけると追いかけやすいかと思います。

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