Log1-05//アルヘニクスの秘密
ダイアンは、夕食を終え、シャワーから上がると、入り口でこちらに手を振るアルヘニクスの姿を見つけた。
「これから光線ルームに行くんだけど、一緒に行かないか」
シャワー後は、隣接している光線ルームと呼ばれる部屋へ必ず立ち寄ることになっている。ダイアンはアルヘニクスの隣の部屋に入り、狭苦しいスペースへ体を預ける。
巻いていたタオルを備え付けのフックに掛けると、真っ白で強烈な光が全身を覆う。壁面に映し出された画面には〝完了〟のサインと身体データが表示されている。
「身長少しだけ伸びてる!」
高揚しながら画面を見ていると、すぐに〝転送中〟に切り替わった。
身体情報は即時、アルダナリの管理する端末に届けられ、成長状態のチェックや健康状態の管理に使用される。この情報がどのように利用され、なんのために集められているのかはダイアンたちには、やはり知らされていないのだ。
ほんの数分で二人はこの部屋を出ると、アルヘニクスはダイアンに言った。
「今日はアマヨリとおしゃべりを諦めろ」
「どういうこと?」
ダイアンにはアルヘニクスの言葉の意味が、瞬時に理解できなかったが、彼の部屋に着いてようやくその意味がわかったというより、思い出した。
アルヘニクスの部屋は、ダイアン達の部屋とは離れた場所にあったが、部屋の間取りや家具の配置などは全く同じ作りをしている。唯一違うのは彼のベッドの上にはトレーニング用の器具が雑然と置かれ、向かいのテーヴァのベッドに至ってはボードゲームと紙とペンが散らかっていることくらいだった。
テーヴァは日課室の掃除当番で、しばらくここには戻ってこない。ダイアンはアル兄のトレーニング用の器具を羨望の眼差しで見つめた。そして、すっかりアマヨリの怪我のゴタゴタで忘れていた運動場での話の続きを想像するだけで、気持ちがワクワクと高揚してきたのだった。
「俺が勝ったけどさ、約束の秘密を教えてやろう!」
「待ってました!」
ダイアンはアル兄のベッドの上で、ごくりと生唾を飲み込んでじっと耳を傾けた。
「ここに来る前のことって、どこにいたか覚えてるか?」
ダイアンがここに来る前、そう、それはクリプタやリラと過ごした場所だ。思い返せばクリプタと過ごした場所はここではなかった。トイレやシャワーもまとまった場所に全部あり、生活に必要なものがそろった場所だった。けれど、それを話すことは禁じられていたし、長い年月でぼんやりとした光景しか浮かばなかった。
唯一、ダイアンの記憶にはっきりと残る場所は、リラの実験場のような恐ろしさを閉じ込めた場所と、ここへ来るときにアルダナリに手を引かれて延々と歩いた長い廊下の記憶くらいだった。リラの部屋の記憶なんて思い出したくもなかった。
「前にいた場所なんて覚えてないし、管理官の執務室くらいしか思い出せないよ」
「まあ普通はそうだよな。クリプタ管理官の執務室くらいか」
「うん、そうだね…」
クリプタの部屋があるエリアには、立ち入り禁止の扉がいくつもある。過去の記憶にある場所は、もしかしたらその扉の先だったのかもしれなかった。
けれど、その扉の先へ行く手段を子供たちは持ち合わせておらず、その先に何があるのかを聞くことも許されていなかった。だから、アマヨリがあの桑の実の部屋を見つけるきっかけになった、アルヘニクスの〝扉の先にも別エリアがある〟という情報は、ダイアンたちに衝撃を与えたのだ。
クリプタの部屋まで唯一怪しまれずに往来できるのをいいことに、アマヨリは一人で立ち入り禁止の場所をコソコソと探り歩いていたのだ。
そして、クリプタの机の引き出しからヴォイドリンクを見つけ出すと、それを使って、あの秘密の場所を発見したのだった。
アルヘニクスは、ダイアンの方へ身を乗り出すと、共犯的な眼差しを向けた。
「俺がいたエリアはALPHA1(アルファワン)と呼ばれていたんだ」
オメガ9ではない名称を聞いて、ダイアンは興奮した。アルヘニクスはニヤリと笑う。
「当時は処罰が怖くて、みんなには別の部屋から来たとしか言えなかったけどね……」
ダイアンの手に思わず力が入る。
「ここと全く同じ構造の別エリアに俺たちと同じようにたくさんの人がアルファ1でも暮らしてるんだ」
同じ構造の別エリア、自分たちと同じ人々。それだけで額には汗が滲み体が熱くなる。
「やっぱりそうなんだ!」
先日のバウンドヴェイルの少年を見つけてから、何となくダイアンは他にも自分たちと同じように、別のエリアで暮らしている人たちが大勢いるのではと考えていた。けれど、誰もこの部屋以外を知る人がいないので、この疑問は心の隅に追いやるしかなかった。
「みんなどこから来たかなんてどうせ聞かないもんな」
アルヘニクスが言うように、そんな質問は一切出なかった。なぜならそれはよくあることで、アマヨリもレンユウもある朝にアルダナリに連れられて、当たり前のように日課室の椅子に座っているのだ。どこから来たの? とアルダナリに聞くことができたのなら、皆同じ場所からです。で終わってしまう。
その場所ってどこにある? 何がある? 誰がいる? そんな誰しもが抱く疑問を投げかけても、アルダナリ達は答えてくれない。だから聞かないのだ。
「管理官に聞いたら怒られるしね。アルダナリはもしかしたら知らないのかも」
ダイアンは心の隅に追いやっていた疑問を、ついに解放できるときが来たんだと、恐る恐るアルヘニクスに聞いてみた。
「アル兄はアルファ1の前にどこにいたかわかるの? アルファ1はどこにあるんだ?」
「その部屋への行き方はわからないんだ。ここに来るまで目隠しされていたから。でもアルファ1の前にどこにいたのかは覚えてる。ここオメガ9に来た理由も大体わかる」
ダイアンはこれ以上聞いてしまうのが少し怖くなって、アマヨリといつも作戦会議をするように、ベッドの下に降りて座り込み、アルヘニクスもそれに倣って小さくなって座った。
「部屋に来る前の記憶、その記憶はある日突然始まったんだ」
――回想
「まぶし……」
真っ白な光の中でアルヘニクスはうっすらと目を開ける。狭い空間に表示された画面にはたくさんの数字の羅列。生きているかのように動くグラフ。
気がつくと手を握られて灰色の廊下を歩いていた。後ろを振り返ると同じ服装の子供たちが気だるそうに続いている。握られた手からは温もりは感じない。頼りなくひんやりとした手だ。
「まっくら……」
顔にまとわりつく布が気持ち悪い。何も見えない黒い恐怖がアルヘニクスを支配した。
(あれ?)
視界の隅でチラチラと色が見える。
その色はアルヘニクスの心を掴んで離さなかった。足元は光の粒が軌跡を残しながら四方へ飛び散り、赤やショッキングピンクの明滅。すれ違っていく足たち。顔をしかめるような匂い。まとわりついた布のほつれから見えた世界。
ダイアンはアルヘニクスの続く言葉を、息を飲んで待った。
「うまく言えないけど、俺はものすごいデカさの光の柱を見た」
(すごい……きれい)
視界は青い色で埋まった。直視していいのか迷うほどの青い光の柱。思わず足が止まった。
「止まってはいけませんよ。先へ進みます」
また冷たい手に握られたのがわかる。青い光は名残惜しそうに視界から去っていった。
くすねておいた補給食をアルヘニクスはダイアンへ手渡した。
「ありがと、青い光の柱かぁ〜」
「おそらく結構なデカさだと思うんだよな、あの感じは」
それが何なのかはもちろんわからなかったが、そういった建造物がこの部屋のどこかにあるのだという。
ダイアンはその話を聞いて、いても立ってもいられなくなった。
アルヘニクスは補給食を口にしながら話を続ける。
「そして俺は九歳になったときに、能力適性検査を受けたんだ……」
「一体どんな適性があったの? どんなことをしたんだ?」
ダイアンは早く詳細を知りたくて矢継ぎ早に質問した。
「まぁ落ち着けダイアン。まず適性検査は三日間行われる。初日は運動場にまず集められるんだ」
アルヘニクスは再び記憶の扉を開けた。
――はぁはぁはぁ。
(もう少し!)
床に映し出されたトラックを蹴り上げ、後ろを振り返ったアルヘニクスは驚いた。追ってきているはずのメンバーが誰一人としていない。おかげで少し失速してしまった。
早々にゴールへ辿り着くと、他の者たちは一周遅れでちらほらとゴールした。
「なんだ、みんな手を抜いて」
ヴォイドリンクから飛ばされた記録情報がアルダナリに届いたようで、こちらにやって来た。
「アルヘニクスさんの記録は、過去最速のようです」
ざわつく周りをよそにアルヘニクスは思っていた。もっと早く、長く走れたな、と。
アルヘニクスはその時のことを一つ一つ思い出しながらダイアンに教えた。
「そりゃあ、アル兄に敵わないわけだね……ん? ちょっと、アル兄! それなのに僕に勝負かけるとかずるいぞ!」
アルヘニクスはかすれた声で、ごめん。と言って申し訳なさそうに笑った。
「お前も結構走れそうだったから、秘密を教えてやるからいいだろう?」
「そうだけど……。アル兄がここに来たのは持久走が一番だったからってことなの?」
「体力があったのは大きいと思う。あと俺は目がいい。頭は残念ながらお前には勝てん」
理由はダイアンも納得のいくものだった。アルヘニクスは体力お化けで、おまけに遠くがよく見えるし動くものもよく追える。それは普段の生活の中でもはっきりと現れていた。しかしあることが引っ掛かる。
「それは誰もが認めるけど、なんでわざわざここに来たんだ?」
アルヘニクスは声をさらに潜めた。
「俺はアルファ1から来た、ここはオメガ9だ。数字の間が離れているのはおそらくこの間に他の部屋がある。それでだ……」
ついに核心に触れるときが来る。そう思うと胸の鼓動が収まらなくなった。じっと息を飲んで待っていると、アルヘニクスは続けた。
「この部屋にいる奴らはアルファ1にいる奴らと全く違う」
ダイアンの頭の中は疑問符で溢れた。
「お前、今、日課のレベルいくつだよ」
「えっと、二十かな」
アルヘニクスは腕を組みながら大きく頷く。
「じゃあアマヨリは?」
「確か、十四だったと思う、言語は標準だったけど」
ニヤリと笑うアルヘニクスの顔を隣で不思議そうに見たダイアンは次の言葉を待った。
「ついているアルダナリや管理官の数ってわかるか」
ダイアンは自分たちの班以外で世話するアルダナリの数を思い浮かべた。
「ざっとだけど、十五人はいるよね」
「ああ、ちなみにアルファ1はその半分以下」
日課のレベルやアルダナリの数に一体なんの違いがあるのだろう。ダイアンはアルヘニクスを疑うように小さくうなずいた。
ダイアンの晴れない顔にアルヘニクスはさらに続けた。
「要するに、ここオメガ9は複数ある部屋の中の頂点なんだよ」
「僕たちが頂点? 優れた者ってこと?」
アルヘニクスの視線がダイアンと重なる。
「周りが皆、優秀だから気づかないんだろうね。アルファ1にいた奴らと比べると日課をこなしていく能力は雲泥の差だよ」
「もしそうだとしたら何のために……?」
先ほどまで軽快に話していたアルヘニクスの表情が一瞬強張ったのがわかった。そしてある仮説を話してくれた。
「俺たちは十五になるとこの場所から出ることを当たり前だと思ってる。でもここを出た先のことはなぜか教わらない。誰も知らないんだ」
「……そうだね」
ダイアンは、自分の考えていたことと同じことを、アルヘニクスも考えていたことに安堵した。ここに長く居ると誰も疑問を口に出さなくなるからだ。
「なぜ、ここを出てからのことを知ることを、許されないのだと思う?」
まだアマヨリがここに来たばかりの頃、十五歳を迎えここを去っていく少女がいた。アマヨリはまだ小さくて面倒見のいいその少女にとても懐いていた。出発する日に泣きながらアマヨリは聞くと、少女はこう答えた。
「ねえやはどこに行くの?」
「そうだね、透明な世界に行くのよ」
あの時の少女の言葉がずっと頭から離れなかった。
「透明な世界……があるのかな」
ダイアンの答えを聞いたアルヘニクスは続けた。
「確かに。それはそうだ。何があるか教わったことしかわからないからな。でもさ……」
普段こんなに、アル兄と真剣な話をしたことがなかったダイアンは、大人の議論の一員に加えてもらえたようで、少し嬉しかった。
「俺たちにはこうやって、肩を並べて話すなんて時間もなかったよ。ここには自由ってものがある。図書室にも行ける」
アルヘニクスの手に握られた空のパウチは彼の熱量を受け止めるようにぐしゃりと潰れた。
「おかしいと思わないか。ここを出た後にアルファ1もオメガ9のやつも同じところに行くなら、わざわざ分ける必要が無い。この区別はなんのためにある?」
普段、ダイアンたちは自分たちがオメガ9と呼ばれていることを気にしたことが無かった。それがアル兄の話では意味を持つと言われたのだ。思わずダイアンは、それって何かいいことがあるのかとたずねた。
「あるに決まってる。俺たちは選ばれたってことさ」
選ばれるという言葉がダイアンにはさらにピンとこなかった。なぜならアマヨリもレンユウもしょっちゅうアルダナリから注意を受けたり、管理官を怒らせたりすることも多いからだ。
「透明な世界は、自分で好きな色を塗れるんだよ。選べるんだ。こことは全く違う暮らしを。俺はそう信じてる」
全く違う暮らしという言葉にダイアンは想像を巡らせてみた。
「スカイックに乗ったり、花を育てたり、補給食を残していいってこと?」
「そうさ、だから現に誰もここには戻ってこないだろう? 外の世界が最高ならここでのことも忘れてしまうさ」
確かに誰一人、ここに戻ったり訪れたりする人はいなかった。透明な世界はアマヨリとのことも忘れさせてしまうくらい、素敵な世界なのだろうか。ダイアンは少し想像してみたがアマヨリを忘れてしまうほどの世界を思い浮かべることができなかった。
「僕は忘れたくないな……。でも教わったような世界があるなら早く行って見てみたいとは思う」
「ああ、図書室でここでは見られないことを知れるのはそのためさ。だから色々と心配することは無さそうだよ。俺は来月ここを出る。真実がわかったら必ずここに帰ってくるからな」
アル兄の希望に満ち溢れた表情に、思わずダイアンも希望をもらった気がした。けれどそれはアル兄の言葉ですぐに崩れ去ることになった。
「早く大きくなって、今度はお前がアマヨリをおぶってやれよ」
「え、あ、うん……」
ダイアンの自信なさげな態度にアルヘニクスは背中をバシンッと思い切り叩いた。
「好きなんだろう?」
「わ、わかんないよ、だってすごいガキだし、お転婆だし、いつも夢みがちだし。何よりすぐにクリプタやアル兄と比べてくるし」
隣で聞いていたアルヘニクスは笑いを堪えきれなくなったようで、とうとうゲラゲラと笑い出した。ダイアンにはなぜアル兄がそんなに笑うのか理解ができなかった。
「ちょっと、アル兄! 笑い過ぎだよ」
「ごめん、ごめん。いやさ、お前ってほんとかわいいな」
ダイアンはギロリとアルヘニクスを横目で睨むと、顔を膝に埋めて丸くなった。
「わ! ほんとにごめん。その気持ち、俺もわかるからさ」
アル兄の意外な言葉に再びダイアンは顔を上げた。
「アル兄もヘリ姉にこんな気持ちだったの?」
「お前、ダイレクトに名前出すなよ……、まぁ、違うと言ったら嘘になるけど……」
ダイアンは真っ赤になって照れるアル兄をじっと見た。すると膝を抱えながらアルヘニクスはポツリと言った。
「ヘリヌールには言うなよ。きっと泣くから」
「うん、言わないよ。でもヘリ姉なら喜ぶんじゃ……」
アル兄の悲しそうな横顔を見て、ダイアンはこれ以上何も言えなくなった。
アル兄の想いは自分が感じている、想像できるものとは異なるのだと、その表情から伝わっていた。
「お前は絶対に離すなよ」
「え?」
「お前ならそれができる気がする……。かわいいやつめ!」
アル兄はそう言うと、ダイアンの頭を抱えて髪をくしゃくしゃに撫で回した。
夜になってもダイアンの興奮は醒めることがなかった。一人布団に入りアルヘニクスの言葉を思い出しながら、色々な想像を膨らませていたときだった。
いつになく早い就寝を不思議に思ったのか、アマヨリがダイアンの布団を思いっきり引き剥がしたのだ。
「ダイアンお腹痛いの?」
大きな秘密をいくつか抱えていたダイアンは、いきなり丸裸にされたかのように驚いて、思わずごめんなさいと叫んでしまった。
「あ……」
「おねしょでもしたの?」
自分だけすごい秘密を持った罪悪感と、少しずつ露になるアマヨリへの気持ちから、なんとなく謝ってしまったのだった。けれどアマヨリは不思議そうな顔を浮かべて、お漏らしをしたのでは無いか、と見当違いな心配をしていた。
「ち、違うよ。するわけないだろ! もう十二歳になるのに。そんなつまらない冗談やめてよ」
ダイアンは自分の言葉にハッとした。最近、秘密の事情に心を奪われていて、すっかり忘れていたが、あとほんの数ヶ月で十二歳になることに。
ここでは十二歳になると、日課の内容がガラリと変わり、部屋も完全に男女別々になる。ダイアンは引っ越しをせねばならないのだ。おまけに相談できるアル兄は、来月ここから居なくなってしまう。そんな重要なことを忘れていたショックで、アル兄からもらった希望も吹き飛んで、気が遠くなりそうだった。
「うわー、どうしよう」
頭を抱えるダイアンを前にして、一部始終をぽかんと見ていたアマヨリだったが、いつもと違う様子に心配したのか、
「これからセネリスのとこに行くけど、一緒に見てもらおう」
と言ってダイアンの手を取った。
アマヨリの診察に行く時間だった。我に返ると隣でアマヨリはヒョコヒョコと足を庇いながら器用に歩いている。怪我は回復に向かってもう少しで治療用ブーツを卒業できそうだった。転んだりしないよう、毎日一緒に歩いていたけれどアル兄のように軽々と、アマヨリをおぶることができないもどかしさがいつもあった。
早くアマヨリの身長なんて軽く追い越してしまいたい。
疲れて歩けなくなっても、怪我で立てなくても、眠くて歩みを進められなくても。
すぐに駆けつけて、軽々と連れて行けたならどんなに格好良いか。
十二歳になったら、十五歳になったら、できることがもっと増えて、アル兄のように格好良くなれるかもしれない。
そう思うと、さっきまでの不安が少しキラキラとしたものに変わるのを、ダイアンは感じつつあった。
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