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第五話 能力顕現

少年との決着と啓君の能力顕現です。前のやつは最初から使えてましたがこっちでは今頃っていうね……

まあ、楽しんでくれたら幸いです。


「切り刻んであげるよ!」

 少年が右腕を上げるとまた風が速くなり始める。さっきよりも頭が痛い……

「またそれかよ……」

 無言で腕を振り下ろす。当然鎌鼬は襲い掛かってくるわけで……

「またそれかよ!」

正面に3発連続で飛んできた。俺はとっさに横に転がって避ける。頭が痛い……

「ちっ……これならどうだぁぁ!!」

 少年は両手を上げて力を込め始めた。それと比例するように風が更に強くなっていく。先程の2倍ほどにまで威力が上がっていた。

「死ねぇぇぇ!!」

その時少年の両腕、その肘から上がブチリという嫌な音を立てて吹き飛んだ。途端に赤い鮮血が噴き出す。

「え…………?」

少年は何が起こったのか分からず茫然としていたが、自分の両腕が無くなっていると知ると、叫び始めた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 その光景を見て、俺は強烈な吐き気に襲われた。それを壁に手をつき必死で耐える。

「うあ……」

 何とか喉元まで迫ってきた胃液を押しとどめると、次に来たのは今までよりも更に激しい頭痛だった。俺は耐えきれずに倒れ込んでしまった。

「がぁッ……!?あああああああ!!」

 痛みが頂点に達したとき、ふっと痛みは消えた。ひとまず安心するとまだ泣き叫んだままの少年を見た。その焦点のあっていない目を見た瞬間、俺は自分の中ににどす黒い感情が生まれたのを感じた。それはすぐに心を飲み込んでしまうと身体から溢れ出した。それは真っ黒な影のようなドロドロとしたものだった。俺はなぜかそれが『影』だと分かった。それと同時に強烈な空腹感が襲い掛かってくる。

「うぅ……あぁ……」

俺は耐えきれずに何か食えるものを探した。前を見るとこちらを向いたまま腰を抜かしている少年の姿が目に入った。

 少年は俺と目が合うと「ヒィッ!?」という間の抜けた声を漏らし、後ろ向きに逃げ出した。そんな姿に俺は何も感じることもなく殆ど無意識で影を使って、『食べた』。少年の真下まで影を移動させ、掬い上げるようにして影で包み込んだのだ。少年は、

「た、助け……」

という言葉を残してそのまま飲み込まれてしまった。

 まだ喰い足りなかったので、顔を横に向けると、恐怖で動けない妹が目に入った。俺は彼女も少年と同じように『食べよう』とした。影を伸ばそうとした瞬間、

「やめてッ!!」

という呉島の叫び声がした。それと同時にどこから持ってきたのかわからない木刀で顔面を殴られた。

「がッ!?」

 俺は崩れ落ちる。それと共に影も地面に溶けるようにして消えていった。


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