表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/60

第57話:静かな幸福。

常連客も帰り、そろそろ店じまいをしようと思っていた夜更け。

久しぶりに、オヤジさんが屋台を訪れた。

「オヤジさん、腰の方は大丈夫なんですか?」

俺は声をかける。オヤジさんは、腰を痛めていたのだ。

「『寝ているばかりじゃ、余計悪くなる』と、医者に言われたんでな。ま、リハビリの一環さ」

そう言って、屋台の席に腰を下ろした。

「……お客さんは?」

「さっき、常連さんが帰ったところです。今日は、この感じだともう終いですね」

俺はオヤジさんに答えた。

「じゃ、残りもんで、何か肴を作ってくれ。あと日本酒を頼む」

「はい、わかりました」

オヤジさんの注文を受け、俺は調理に取り掛かった。

ゆっくりとした時間が流れた。お客さんが来る気配もない。

俺は、出来上がった肴を、オヤジさんに差し出す。

「はい。メバルの煮付けです。最後の一尾が残ってました」

オヤジさんが箸を取り、煮付けを一口、口に運ぶ。

「……この肴、悪くないな……いい感じの煮付け具合だ」

「……お褒めいただき、ありがとうございます」俺はオヤジさんに頭を下げた。

「……褒めてないよ。今のおまえさんなら、もっと上手にできるだろ」

オヤジさんは、そう言って、日本酒を傾けたのだった。


屋台の夜が、静かに更けていった。


次回予告:

オヤジさんからの意外な言葉。

それでも、俺は、この屋台を続ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ