第25話:SNSで広がる「神の屋台」という噂。
時間が経つごとに、行列はさらに伸びていった。
もはや、一日の営業時間で捌ける人数では無くなっていった。
「すいません。今日は、もう、肴の仕込みが、無くなってしまいました。申し訳ないですが、閉店です」
そうやって、行列客に謝る日々が続いた。
その行列の中に、常連客の悲しそうな顔が見えた。申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
確かに、客足が増えるのは、望んでいたことだった。だが、今の状況は、常軌を逸してる。あまりにもおかしすぎた。
俺は、例のインフルエンサーのページを開いた。
すると、コメント欄が、絶賛の言葉で溢れていた。
「本当に美味しい。近所にあったら、毎日通うレベル」
「接客態度も丁寧で好感が持てる。一見客を拒否しないのは◎」
「路地裏にあるのが勿体無いくらいの『神の屋台』」
……俺は、驚くとともに、恐怖した。喜びよりも恐怖が勝った。
これでは、常連が来なくなってしまう。一見客だけでは屋台は成り立たない。常連に愛されてこそ、なのだ。
何か良い対策はないか。俺は頭を抱えるのであった。
贅沢な悩みであったろう。しかし、その時の俺は、「常連客を満足させられない」事に危機感を覚えたのであった。
次回予告:
ついに、営業がキャパオーバーし始める。俺は「ある決断」をするのだった。




