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ダンジョンの最深部

 王都地下には、古代遺跡が眠っていた。

 そこは現在、ダンジョンとして利用されている。


 だが最深部だけは。

 誰も到達したことがない。


「ここに、三百年前の記録がある」


 ミアが言う。

 俺たちは進んだ。


 魔物。

 罠。

 崩落。

 何度も死にかけた。


 だが俺は、触れることで過去を読む。

 罠を避ける。

 隠し扉を見つける。

 古い魔法陣を解除する。


 ついに。

 最深部へ辿り着いた。

 そこにあったのは巨大な石碑だった。


『六人の英雄は、ここで世界を救った』


「……六人?」


 俺は石碑に触れた。

 大量の記憶が押し寄せる。


 五人の勇者。

 そして。

 六人目。


 俺と同じ【記憶喰い】。

 その男は、魔王を倒した後。

 世界から魔王の存在を消した。


 なぜなら。

 魔王は悪ではなかったから。

 世界を支配しようとしたのではなく。

 世界を守ろうとしていた。


 そして本当の敵は。

 人間だった。


 記憶がそこで途切れる。

 石碑の奥から。

 低い声が響いた。


「ようやく来たか」


 俺たちは振り返る。

 誰もいない。


「誰だ!」


 青年が剣を構える。


「お前たちが探しているものだ」


 地面から黒い影が立ち上がった。


「俺が、魔王だ」


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