↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
11/27

忘れられた魔王

 ――国王との戦いは、想像よりも短かった。


 国王自身に戦闘能力はなかった。

 彼が恐れていたのは。

 俺のスキルだけ。


「どうして記憶を消した?」


 俺は尋ねる。


「人間は真実に耐えられない」


「それを決めるのは、お前じゃない」


「違う!」


 国王が叫ぶ。


「真実を知れば、また戦争になる!」


 その言葉には。

 少しだけ本当の意味があった。

 過去に真実が公開された時。

 国同士が争った。

 だから初代国王は、全てを消した。


 魔王を悪に。

 勇者を英雄に。

 人間を被害者に。

 そうして世界は平和になった。


「だから今も続けてるのか」


「そうだ」


「じゃあ、魔王は?」


「……」


 国王が黙る。

 俺は答えを理解した。

 魔王は今も。

 世界の裏側で人間を守っている。

 三百年間。

 誰にも感謝されず。

 誰にも知られず。


「だったら」


 俺は言った。


「もう、終わりにしよう」


 その瞬間。

 王城の窓が砕けた。

 黒い光が空を覆う。

 

 現れたのは魔王だった。

 だが。

 彼は俺たちの敵ではなかった。


「始まるぞ」


 魔王が空を見る。


「何が?」


「記憶を戻す時だ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。