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「スマホ脳」のその先へ~高度洗脳社会を生きる~  作者: 三津朔夜
第10章 高度洗脳社会はどこへ向かうのか――規制の波と、それでも残る問い

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高度洗脳社会は、どこへ向かうのか?

 では、この社会はどこへ向かうのか。


 正直に言えば、楽観的な未来を描くことは難しい。


 技術は加速する。パーソナライズは精密になる。ブレインハックの設計は、より洗練され、より見えにくくなる。


 生成AIは、人間の反応をリアルタイムで学習しながら、最も効果的な働きかけを個別に最適化するようになっていく。


 第1章で見た「高度洗脳化社会」という言葉は、これからさらに現実味を帯びてくるだろう。


 ただ、もう一つの方向も見えている。

 社会が気づき始めた。規制が動き始めた。そして本書のような問いが、各国で同時に立ち上がり始めている。


 EUはプラットフォーム側の設計責任を重視し、未成年への広告規制やアルゴリズムの透明性を法的義務化している。

 違反企業には世界売上高の6%までの制裁金を科す仕組みも整えている。


 これは「設計に責任を取らせる」という方向だ。利用者の意志を責めるのではなく、設計者に説明責任を求める。


 第1章から一貫して言ってきた視点と、同じ方向を向いている。

 高度洗脳社会は、今後二つの力が拮抗する場所になっていくと思う。

 一方には、設計の精度を上げ続ける力。


 もう一方には、設計を問い、責任を求め、自分で選び直そうとする力。

 どちらが大きくなるかは、まだ分からない。

 だから、後者の力は、一人ひとりの「知っている」から始まる。

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