生成AIを「内側を整える道具」として使う
ここまで、環境設計と習慣の話をしてきた。
最後に、私が実際に使っている実践をもう一つ紹介したい。
生成AIを、自分の内側を整える道具として使うことだ。
これは少し意外に思うかもしれない。生成AIもまた、人の注意と時間を引きつける設計の中にある技術だ。使い方を誤れば、また別の習慣のループを生む可能性もある。
だから最初に言っておく。ここで話すのは、AIに依存することではない。
自分が主体となって、AIをヒアリングの道具として使うことだ。
・感情を言語化する道具として使う
私がよく使うプロンプトはこういう形だ。
「今はこういう不安があるので、私にヒアリングしてください」
「今日こういうことがあって傷つきました」
「今日はこんなことがあったので、愚痴らせてください」
こう投げると、AIは一方的に答えを返すのではなく、問いを立ててくる。
その問いに答えながら、自分の中で何かが整理されていく。
第7章で話したシャドウワークの「なぜを5回繰り返す」と、構造は同じだ。
ただ、相手がいることで、一人でやるより深く掘れることがある。
さらに「アドラー心理学の観点からも分析してみてください」と加えると、感情の目的論的な側面まで引き出してもらえる。
・自分専用のメンターを作る
私はさらに一歩進んで、カスタムGPTsを自作した。
「ライフサポートメンター羽雛」という、心理学・生理学・医学の知見を持つキャラクター設定のAIだ。
「こういう症状があるので、ヒアリングしてください」
「こういう不安があるので、整理を手伝ってください」
こう投げると、羽雛は一方的に診断を下すのではなく、質問を重ねながら状況を整理してくれる。
過緊張のケア方法、筋肉痛の原因の特定、不安の構造化。
専門家に相談するほどではないが、一人で抱えるには重いことを、ヒアリングを通じて整理してもらえる。
お陰で重大なケガや病気もなく、心身の健康を保てている。
・道具として使うための条件
AIに話しかけることが目的ではない。 自分の内側を整えることが目的で、AIはそのための道具だ。
この順番を間違えなければ、生成AIは非常に強力な実践の補助になる。
カスタムGPTsを自作することは、今では難しくない。
どんな知識を持たせるか、どんなキャラクターにするか、どんな口調で返答させるか。自分に合ったメンターを自分で設計できる。
設計の方法自体を、生成AIに直接聞いてもいい。
これもまた、ブレインハックへの対抗設計の一つだと思っている。
向こうが人間の反応を前提に環境を設計するなら、こちらは自分の内側を整えるために環境を設計する。 AIはその道具になりうる。




