感情に「なぜ」と問うこと
環境を整えても、課題を分離しても、それでも感情は動く。 波は来る。
そのときに、自分の中で何ができるのか。
私が3ヶ月以上続けている実践がある。 毎晩、就寝前に行うジャーナリングだ。
やり方はシンプルだ。
まず、今日一日で強く心に残ったことを一つ書く。
出来事でも、感情でも、誰かの言葉でも何でもいい。
ただ、「強く残ったこと」を一つ選ぶ。
次に、「なぜ?」と問う。
なぜそれが心に残ったのか。出てきた答えに対して、また問いを立てる。
なぜそう感じたのか。なぜそれが気になるのか。なぜそこに引っかかったのか。
問いの形は毎回変わる。答えに応じて、問いが育っていく。これを5回繰り返す。
すると、最初に書いた「強く残ったこと」の奥に、何か別のものが見えてくることがある。
不安だと思っていたものが、実は承認への渇望だったと気づく。
怒りだと思っていたものが、実は悲しみだったと気づく。
何となく引っかかっていたものが、ずっと前から持っていた恐れと繋がっていたと気づく。
これはシャドウワークと呼ばれる実践の一形態だ。
自分の中の見たくない部分、光の当たらない場所に、問いで少しずつ光を当てていく作業だ。
劇的な変化が起きるわけではない。それでも続けていると、自分の反応のパターンが少しずつ見えてくる。
どんなときに不安が来やすいのか。何に触れると比較が始まるのか。どこで判断が雑になるのか。
それが分かると、第6章で話した環境設計が、より自分に合った形になっていく。
外側の条件を変えるためには、内側の反応パターンを知っている必要がある。
ジャーナリングは、その地図を作る作業でもある。
完璧にできない日もある。疲れて一行しか書けない日もある。
それでいい。 大事なのは、自分の感情に「なぜ」と問う習慣を、少しずつ育てることだ。




