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「スマホ脳」のその先へ~高度洗脳社会を生きる~  作者: 三津朔夜
第6章 主導権は、環境から取り戻す――意志より先に変えるべきもの

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我慢より、「見ない仕組み」が先に要る

 変えるべきは条件だと分かっても、実際にはどう動けばいいのか。

 その手がかりとして、自分自身の経験を少し書いておきたい。


 私の場合、枕元にスマホを置かないこと、集中したいときは視界から完全に外すことは、自分の中でかなり基本的なルールになっている。朝一番に情報の流れに触れると、その日の注意の向き全体が引っぱられやすいと感じているからだ。


 ただ、それでも崩れる日はある。

 朝、通知からXの投稿を見てしまう。

 情報商材系の動画が流れてきて、ついそのまま追ってしまう。


 仕事で疲れた日の夜は、SNSで一時間近く時間を溶かしてしまったこともある。

 面白いのは、今の自分がSNSを開くとき、比較して落ち込みたいわけではないことだ。「何か最新の情報が入っているかもしれない」という期待で手が伸びている。


 幻想かもしれない、と薄々分かっていても、開いてしまう

 第2章で書いたドーパミンの話を、自分の手で実演しているわけだ。

 そういうとき、以前は自己嫌悪に落ちやすかった。 今は少し違う。


 「設計の吸引力が強いんだから、仕方がない」と、まず素直に認める。

 張り合わない。責めない。

 そして毎晩、就寝前に短いジャーナリングをする。

 「今日できたこと」を書き出す。それだけだ。

 崩れた日でも、何か一つはある。それを見つけて眠ると、翌朝が少し軽い。


 これは自分を甘やかすことではないと思っている。 ブレインハックの設計が強いと知っているからこそ、毎回それに勝とうとするより、自分が戻れる形を先に作っておく。 その発想のほうが、ずっと長く持つ。


 見ない。届かない。すぐ開けない。その小さな不自由が、主導権を守るための土台になる。 そして、崩れたときに責めるより、戻れる仕組みを持っておく。

 その両方があって、はじめて環境設計は長く続く。

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