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「スマホ脳」のその先へ~高度洗脳社会を生きる~  作者: 三津朔夜
第4章 日常そのものが設計されている――スマホの外に広がるブレインハック

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ポイントは、なぜこんなに気になるのか

 アカウントに貯まったポイントは、小さな報酬である。一回ごとの金額は大きくない。だから軽く見やすい。

 実は、その軽さこそが強い。


 少し得をする。使わないともったいない気がする。あと少しで条件を満たせる。

 そう思うと、人はかなり簡単に動く。

 その規模は、すでに生活インフラと言って差し支えないほどだ。


 矢野経済研究所の調査によれば、国内のポイントサービス市場は2023年度に2兆6,569億円規模に達し、なお拡大が見込まれている。


 つまりポイントは、もう「おまけ」ではない。

 日常の購買行動そのものに組み込まれた、行動を誘導する仕組みだ。

 ポイント制度がうまいのは、大きな快楽ではなく、小さな得の積み重ねで行動を習慣化するところにある。


 今日はポイントが多くつく。今月中に使わないと失効する。あと少しでランクが上がる。 こうした設計は、一回一回の刺激としては弱い。

 だが弱いからこそ、生活の中に自然に入り込む。


 しかも、ポイントはお金そのものではないように見える。

 現金を払う痛みが少し薄まる。

 実際には出費しているのに、「得した感じ」のほうが前に出る。


 この感覚のずれは小さいが、繰り返されると大きい。

 問題は、ポイントがあることそのものではない。

 その小さな報酬が、行動の基準を少しずつずらしていくことだ。


 気づけば、得をしているつもりで、判断の軸そのものがポイントに寄っていく。

 その小さなずれが、日常の中ではいちばん見えにくい。

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