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スラムの孤児は慎ましく生きたい~大賢者の遺産を継いだけど、救世主にはなりません~  作者: 鳥助
第五章

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45.不正の証拠を集める

 夜、ベルネルゼ商会の建物にやってきた。


「じゃあ、リマ。おさらいをしよう。透明になって、建物に潜入。各部屋の書類を物色する。人がいたら眠りの魔法で眠らせる。とても簡単だよ」


「……うん、大丈夫。それなら出来そう」


「よし。じゃあ、潜入しよう」


 そう言って、エルリカは私の肩に乗った。そして、透過の魔法をかけて、自分の姿を隠す。これで準備が万端だ。


 建物の裏手に回って、扉の取っ手を掴む。やはり夜だからか、ちゃんと施錠がされているみたいだ。


「リマ、魔法を使うんだ」


「うん……」


 教えられた魔法を使うと、カチャリという音が聞こえた。そうして取っ手を引くと、扉が開く。中を覗いて誰もいないことを確認すると、すぐに建物の中に入る。


「ここまでは問題なさそうだね。じゃあ、各部屋を回って行こう」


「分かった」


 緊張しながら建物の中を歩いた。そうして、部屋にたどり着くと、透過の魔法で部屋の中を確認する。どうやら、この部屋には誰も入ってなさそうだ。


 誰もいないことを確認すると、魔法を使って鍵を開ける。そうして中に入ると、部屋を見渡した。


「えっと、書類がある場所は……」


「右側の棚が怪しいんじゃない?」


 言われた通りに右側を見てみると、そこにはたくさんの引き出しがあった。その引き出しに近づき、中身をチェックする。


「リマは書類を私に見せて。私が証拠になるものを探すから」


「分かった。エルリカ、お願い」


 引き出しにしまっていた書類を出すと、次々とエルリカに見せていく。


「んー……それは違う。これも違う。……あっ、これこれ! これは不正の証拠になるよ」


 言われた書類を空間収納に仕舞う。そうやって、次々と書類を見ていくと、かなりの不正の書類が集まった。


「この部屋はこれくらいでいいね。じゃあ、次の部屋に行こう」


「うん」


 私は引き出しを閉じると、部屋を出ていった。


 ◇


 それから各部屋を回り、不正の証拠を集めていた。中にはまだ部屋に残っている人もいたので、そういう場合は魔法で眠らせて、その隙に不正書類を物色した。


 各部屋からはたくさんの不正の証拠を入手出来た。そうして、最上階に辿り着き、その部屋に入って行った。


 その部屋はとても豪華で立派な部屋だった。きっと、商会の偉い人の部屋なんだろうという事は分かった。


「この部屋は重要な証拠がありそうだね。くまなく探そう」


「そうだね」


 私は部屋中を探し周り、不正の証拠を探し出した。だけど、この部屋にはそれらしいものが見当たらなかった。


「エルリカ、ないみたいだけど……」


「そんなはずはないと思うんだけどなぁ……。あっ、こういう時は隠し部屋や隠し金庫があるはずだよ。だから、部屋中を透過の魔法をかけて調べるんだ」


 なるほど、そういう手もあるのか。私は透過の魔法を使い、部屋中をくまなく探した。すると、なんの変哲もない棚の後ろに空間があるのを見つけた。


「あそこに何かありそう」


「調べてみよう」


 その棚に近づき、どうやったら向こう側にいけるか調べ始めた。


「こういう時はスイッチみたいなものがあるから、物を動かして調べてみて」


「物を動かす……」


 そんなので大丈夫なの? 不安に思いながらも、棚の物をいじくってみた。そして、本を取ろうとすると、その本が前に傾き「カチッ」という音がした。


 すると、棚が扉のように開いたのだ。


「わっ……これ、正解?」


「うん、そうだよ! リマ、凄いね!」


 どうやら当たりを引いたみたいだ。恐る恐る小部屋に入って行くと、そこには棚や引き出しが並べられていた。


 一つずつ調べていくと、そこには色々な書類を見つけることが出来た。その一つをエルリカに見せると――。


「……これは契約書だね。それも、酷い契約内容だ。なるほど、これで錬金術師たち職人を縛っていたみたいだ」


「じゃあ、これを回収すれば、あの人たちも解放される?」


「うん、解放されると思うよ」


 ひどい扱いを受けていた職人たち。その職人たちが解放されると分かると、嬉しい気持ちになった。私もその職人の端くれだから、みんなにはちゃんとしたところで働いて欲しいと感じた。


「よし! この部屋の書類は全部押収だよ!」


「分かった!」


 私は引き出しや棚を全部開いて、そこにあった書類を全部押収した。

いつもお読みくださりありがとうございます。


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かなり綿密にプロットを組んで書いたので、自信作です!

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