45.不正の証拠を集める
夜、ベルネルゼ商会の建物にやってきた。
「じゃあ、リマ。おさらいをしよう。透明になって、建物に潜入。各部屋の書類を物色する。人がいたら眠りの魔法で眠らせる。とても簡単だよ」
「……うん、大丈夫。それなら出来そう」
「よし。じゃあ、潜入しよう」
そう言って、エルリカは私の肩に乗った。そして、透過の魔法をかけて、自分の姿を隠す。これで準備が万端だ。
建物の裏手に回って、扉の取っ手を掴む。やはり夜だからか、ちゃんと施錠がされているみたいだ。
「リマ、魔法を使うんだ」
「うん……」
教えられた魔法を使うと、カチャリという音が聞こえた。そうして取っ手を引くと、扉が開く。中を覗いて誰もいないことを確認すると、すぐに建物の中に入る。
「ここまでは問題なさそうだね。じゃあ、各部屋を回って行こう」
「分かった」
緊張しながら建物の中を歩いた。そうして、部屋にたどり着くと、透過の魔法で部屋の中を確認する。どうやら、この部屋には誰も入ってなさそうだ。
誰もいないことを確認すると、魔法を使って鍵を開ける。そうして中に入ると、部屋を見渡した。
「えっと、書類がある場所は……」
「右側の棚が怪しいんじゃない?」
言われた通りに右側を見てみると、そこにはたくさんの引き出しがあった。その引き出しに近づき、中身をチェックする。
「リマは書類を私に見せて。私が証拠になるものを探すから」
「分かった。エルリカ、お願い」
引き出しにしまっていた書類を出すと、次々とエルリカに見せていく。
「んー……それは違う。これも違う。……あっ、これこれ! これは不正の証拠になるよ」
言われた書類を空間収納に仕舞う。そうやって、次々と書類を見ていくと、かなりの不正の書類が集まった。
「この部屋はこれくらいでいいね。じゃあ、次の部屋に行こう」
「うん」
私は引き出しを閉じると、部屋を出ていった。
◇
それから各部屋を回り、不正の証拠を集めていた。中にはまだ部屋に残っている人もいたので、そういう場合は魔法で眠らせて、その隙に不正書類を物色した。
各部屋からはたくさんの不正の証拠を入手出来た。そうして、最上階に辿り着き、その部屋に入って行った。
その部屋はとても豪華で立派な部屋だった。きっと、商会の偉い人の部屋なんだろうという事は分かった。
「この部屋は重要な証拠がありそうだね。くまなく探そう」
「そうだね」
私は部屋中を探し周り、不正の証拠を探し出した。だけど、この部屋にはそれらしいものが見当たらなかった。
「エルリカ、ないみたいだけど……」
「そんなはずはないと思うんだけどなぁ……。あっ、こういう時は隠し部屋や隠し金庫があるはずだよ。だから、部屋中を透過の魔法をかけて調べるんだ」
なるほど、そういう手もあるのか。私は透過の魔法を使い、部屋中をくまなく探した。すると、なんの変哲もない棚の後ろに空間があるのを見つけた。
「あそこに何かありそう」
「調べてみよう」
その棚に近づき、どうやったら向こう側にいけるか調べ始めた。
「こういう時はスイッチみたいなものがあるから、物を動かして調べてみて」
「物を動かす……」
そんなので大丈夫なの? 不安に思いながらも、棚の物をいじくってみた。そして、本を取ろうとすると、その本が前に傾き「カチッ」という音がした。
すると、棚が扉のように開いたのだ。
「わっ……これ、正解?」
「うん、そうだよ! リマ、凄いね!」
どうやら当たりを引いたみたいだ。恐る恐る小部屋に入って行くと、そこには棚や引き出しが並べられていた。
一つずつ調べていくと、そこには色々な書類を見つけることが出来た。その一つをエルリカに見せると――。
「……これは契約書だね。それも、酷い契約内容だ。なるほど、これで錬金術師たち職人を縛っていたみたいだ」
「じゃあ、これを回収すれば、あの人たちも解放される?」
「うん、解放されると思うよ」
ひどい扱いを受けていた職人たち。その職人たちが解放されると分かると、嬉しい気持ちになった。私もその職人の端くれだから、みんなにはちゃんとしたところで働いて欲しいと感じた。
「よし! この部屋の書類は全部押収だよ!」
「分かった!」
私は引き出しや棚を全部開いて、そこにあった書類を全部押収した。
いつもお読みくださりありがとうございます。
新作二作品投稿しました。
かなり綿密にプロットを組んで書いたので、自信作です!
とても面白く仕上がっていますので、ぜひご覧ください!
リンクは広告の下のほうに貼っておきますので、ご利用くださいませ。
【ド陰キャ聖女に百合キスは荷が重すぎる!~唇への祝福が最強だとバレてしまい、キラキラ王子様系姫騎士と包容力おばけな女傭兵に迫られています~】
【魔力1令嬢と欠陥王女は魔法が使いたい! ~誰も使えない古代魔法で人生逆転します~】




