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異世界転移したら俺じゃなくてスマホがチートでした  作者:


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122/124

怪しすぎる工場

「しかし……」


俺は少し離れた場所から、砂糖工場を眺めていた。


「この砂糖工場……何も知らない前提で見ると、怪しくないか?」


『……確かに』


「だよな」


目の前には、村では一番大きなレンガ造りの建物。そこへ――


「お?」


屈強な兵士たちが次々と入っていく。

そしてしばらくすると。


「……」


大きな蕪のような植物を大量に積んだ荷車がやってくる。


「それを工場へ運び込んで……」


しばらくすると――


「タタだ」


タタが満面の笑みを浮かべながらやって来る。


「お疲れ様です!」


「……」


「これは私が回収します!」


そう言って、荷車に積まれた植物を嬉しそうに運んでいく。


「……」


俺はアイを見る。


『屈強な男性たちが工場へ入り。大きな蕪のような植物が運び込まれ。その後、タタ様が非常に嬉しそうに回収していく』


「……」


『何も知らない町人からすれば、かなり怪しい光景です』


「だよなぁ……」


「何作ってるんだ?」


「軍の施設らしいぞ」


「でも、あの蕪みたいなのは何だ?」


「さあ……」


そんな声が聞こえてくる。


「これは、そのうち噂になるな」


『その可能性は高いです』


「そうなるよな」


俺は頭を掻く。


「タタのやつめ……かなりテンション高いぞ」


『はい』


「顔が違うもんな」


『目が金マークになっております』


「だよな……」


タタは今日も元気に工場を走り回っている。


「原料はこちらへ!作業員の配置は問題ありません!完成品は倉庫へ!次の原料を運んでください!」


「……」


「めちゃくちゃ楽しそうだな」


『非常に活発です』


「まあ、仕事は全部ちゃんと回してるみたいだけど」


『はい』


「兵士さんたちもちゃんと働いてる」


『はい』


「原料も無駄になってない」


『はい』


「工場も順調」


『その通りです』


「……」


俺は少し考える。


「なら、こっちから何か言うのもな」


『そうですね』


「むしろ俺が口出しすると、余計に怪しまれる」


『その可能性があります』


「だよな」


俺は工場を見る。


「タタに任せるとするか」


『はい』


「多少噂になったとしても、今のところ問題ないだろ」


『現状では、大きな問題は確認されておりません』


「ならいいか」


俺はその場を離れる。


「しかし……」


『はい』


「いつか誰かが、工場の中を見たがるんじゃないか?」


『その可能性はあります』


「その時はどうする?」


『その時に考えればよいと思われます』


「……」


「アイ、結構適当になってきたな」


『誠様の影響と思われます』


「俺のせいかよ」


『はい』


「まあ……」


俺は苦笑する。


「今はタタに任せるか」


『賛成します』


後ろでは、また大きな蕪を積んだ荷車が工場へ向かっていく。

その後ろをタタが追いかけている。


「もっと持ってきてください!まだまだ足りません!」


「……」


「本当に嬉しそうだな」


『はい』


砂糖工場は、今日も静かに稼働している。


ただし――その正体を知らない町人たちの間では、少しずつ疑問が生まれ始めていた。


「あの工場、何を作ってるんだ?」


そんな小さな噂が、やがて町の中へ広がっていくことになる。

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