表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移したら俺じゃなくてスマホがチートでした  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
114/125

異世界の砂糖

ポテチ屋は、相変わらず大人気だった。


「まあ、良いことだな」


『はい。そう思います』


「他にも新しい物を作った方が良いのか?」


『いえ。まずはポテチ効果が落ち着いてからでよいと思われます』


「まあ、そうか」


『現在は人手も限られています』


「ポテチ屋だけでも結構な人数が動いてるしな」


『はい』


俺は町の方を見る。

建築工事。水路工事。ゴミの回収。畑。工房。

そして商隊への対応。


「これ以上、一気に増やしたら大変だな」


『その通りです』


ふと、目に入ったのは――


「……」


忙しそうに動き回るタタだった。

商人と話していると思ったら、今度は職人のところへ。そして別の場所へ移動していく。


「タタも大変そうだな」


『恐らく、新しい物が次々と作られているためです』


「そっちは、タタに任せるしかないな」


『はい』


俺は実験用の畑を見る。


「ん?」


以前より、かなり広くなっている。


「実験の畑も、なんか増えてきたな」


『はい。こちらの地域に生息する薬草も、少しずつ増えています』


「そっちも商売になりそうだな」


『可能性は高いです』


俺は畑を眺めながら歩く。


「……ん?」


その時。


『!?』


「どうした?」


『誠様。その畑の左側にある植物を確認してください!』


「左?」


俺はそちらを見る。


「これか?」


地面から大きな葉が伸びている。

その根元には――


「でっかい蕪……みたいだな」


『はい』


「流石、異世界」


『これは何か、植物専門家の方に確認してください』


「分かった」



「これですか?」


植物専門家が、大きな根を手に取る。


「これは家畜用の植物ですよ」


「家畜用?」


「はい」


「食べられないのか?」


「人間が食べる物ではありませんね」


「そうなのか」


俺はアイを見る。


『……』


「どうした?」


『一つ、いただいてください』


「家畜用のを?」


『はい』


「何か思いついたのか?」


『試したいことができました』


「分かった」


俺は専門家に頼んで、一つ貰うことにした。



「で?」


家に戻り、家畜用の植物を机の上に置く。


「どうするんだ?」


『まず皮を剥いてください』


「はいよ」


包丁で皮を剥く。


「結構硬いな」


『二センチ角ほどに切ってください』


「切れたぞ」


『鍋に水を張り、煮てください』


「分かった」


鍋に入れて火にかける。


「しかし……」


俺は包丁を見る。


「皮剥きのピーラーだっけか?」


『はい』


「欲しいな」


『それと、ミィナ様用に撹拌機も製作してもらうことを推奨します』


「あー。マヨネーズ作る時、箸でめちゃくちゃかき混ぜてたからな」


『はい』


「パワーで解決してたからな」


『その通りです』


「少しは楽してもらわんとな」


『はい』


鍋の中を見る。


「煮えてきたぞ」


『もう少し煮てください』


「はいよ」


さらに煮込む。



「そろそろ良いです」


『はい』


「じゃあ、これをどうする?」


「味付けは?」


『いえ』


「え?」


『煮出した液体の方を使用します』


「こっち?」


『はい。こちらをさらに煮詰めてください』


「この汁を?」


『その通りです』


「分かった」


俺は別の鍋に液体を移す。

火にかける。


「……」


少しずつ水分が減っていく。


「ん?なんか、とろみが出てきたか?」


『はい』


「どうする?」


『少し味見をしてください』


俺はスプーンの先に付けて舐める。


「……ん?」


「甘い!?」


『はい』


「何で!?」


『この植物は、甜菜と思われます』


「天才?」


『甜菜です』


「甜菜?」


『砂糖を作ることができる植物です』


「……」


「マジかよ!」


『はい』


俺は鍋を見る。


「これから砂糖が?」


『さらに煮詰めて水分を飛ばせば、砂糖になります』


「やったじゃねーか!」


思わず声が出る。


『はい』


「砂糖だぞ!?」


『理解しております』


「砂糖だ!」


『はい』


俺は興奮しながら鍋を見る。


「これがあれば、お菓子だって作れる。ケチャップにも使える。料理にも使える」


『食文化が大きく変化する可能性があります』


「だよな!」


俺はさらに煮詰めていく。



「……」


鍋の中の水分が、ほとんどなくなった。

残った物を取り出して乾かす。


「……」


「粉になった」


『確認してください』


俺は指先に少し付ける。舐める。


「……」


「間違いない」


「砂糖だ」


『はい』


「本当に砂糖ができた……」


俺はしばらく粉を眺める。


「……」


『誠様』


「分かってる」


『これは重要な発見です』


「だよな」


『砂糖が、この世界でどの程度流通しているのか不明です』


「そういや……」


俺は考える。


「今まで砂糖なんて見たことないな」


『はい』


「干し柿を使ったのも、砂糖が無かったからだ」


『その通りです』


「ってことは……」


『高価な物である可能性があります』


「もしかしたら――」


俺は粉を見つめる。


「超高額商品だったりするのか?」


『その可能性もあります』


「……」


『完成した砂糖については、まずタタ様に報告することを推奨します』


「そうだな」


『それと、現時点では他の方には知らせない方がよいと思われます』


「分かった」


俺は砂糖を小さな容器へ入れる。


「よし」


「タタに見せよう」



「おーい! タタ!」


「はい?」


タタが振り返る。


「何でしょう? 誠殿?」


「ちょっと、これが出来た!」


「ほう?」


タタが容器を覗き込む。


「また新商品ですか?」


「まあ、そんなところだ」


「粉……?」


「そう」


タタが首を傾げる。


「これは一体?」


「舐めてみて」


「よろしいのですか?」


「大丈夫」


タタが指先に少し付ける。

そして――ぺろり。


「……」


タタの表情が変わった。


「……!?」


「どうだ?」


タタは、もう一度粉を見る。


「誠殿……」


「何だ?」


「これは……」


タタが震える声で言う。


「砂糖……ですか?」


俺は頷いた。


「そうだ」


「砂糖が、出来た」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ