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異世界転移したら俺じゃなくてスマホがチートでした  作者:


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生ゴミから肥料へ

「さて……ゴミ回収に行くか」


俺は手引き台車を引きながら、いつもの集積場へ向かった。


「今日も結構あるな」


特に目立つのは――


「やっぱり生ゴミが一番多いか」


『それだけ人口が増えたということです』


「確かにな」


食べ物の残り。野菜の皮。果物の皮。

傷んで食べられなくなった物。

人が増えれば、それだけ生ゴミも増える。


「他のは殆どないな」


『木片や金属、陶器などは、再利用されている物が多いようです』


「なるほど」


木片は燃料になる。金属は鍛冶場へ。

陶器も使える物は再利用。

そう考えると、本当に生ゴミだけが大量に残っている。


「これを全部回収して……」


俺は台車に積み込んでいく。


屋根付きのレンガ造りの小屋。肥料作りの為に、建てた小屋だ。雨が直接入ってこない。

肥料を作るには十分そうだ。


「よし」


俺は台車から生ゴミを降ろす。

その横には、すでに別の材料が用意されている。


籾殻。刻んだ藁。糠。


「これに生ゴミを混ぜる」


『はい』


「前に作った肥料と同じような感じだな」


『基本的な考え方は同じです』


俺は材料を混ぜ合わせる。


籾殻。藁。糠。そして生ゴミ。


「結構な量になったな」


『水分量にも注意してください』


「分かってる」


俺は全体をかき混ぜていく。


「よいしょ……これでいいかな?」


『全体が均一になるように混ぜてください』


「こうか?」


『はい』


さらに混ぜる。


「……」


「結構、匂いがするな」


『発酵が始まれば、さらに変化していきます』


「これが数日で肥料になるのか?」


『適切な水分と温度が保たれれば、数日で発酵が進みます』


「なるほど」


俺は山になった材料を見る。


「完成したら畑に使う」


『そうです』


「生ゴミを捨てる。それを回収する。肥料にする。畑に戻す」


『循環が成立します』


「無駄がないな」


『はい』


俺は満足げに頷いた。


「これなら当分は一人で回せそうだな」


『現状の生ゴミの量であれば、可能と思われます』


「よし」


ゴミ回収に肥料作り。

今までなら別々の仕事だった。

でも、町が大きくなるにつれて、それらが一つに繋がっていく。


「人が増えればゴミが増える。でも、そのゴミを使えば畑が豊かになる」


『その通りです』


「町が大きくなっても、ちゃんと循環させればいい」


『はい』


俺は最後にもう一度、肥料の材料をかき混ぜる。


「……」


「しかし、俺の仕事って何なんだろうな」


『様々な仕事を担当されています』


「最近はゴミ回収と肥料作りが多いけどな」


『必要な仕事です』


「まあ、そうだけど」


俺は苦笑する。


「ゴミ収集のおじさんになってないか?」


『それも重要な役割です』


「……」


「まあ、いいか」


俺は小屋を出る。


「明日も回収だな」


『はい』


町が大きくなればなるほど、生ゴミも増えていく。だが、それをただ捨てるのではない。


畑へ戻す。そしてまた食料になる。

町の発展は、何かを作るだけではなかった。

使い終わった物を、もう一度利用する。


そんな小さな循環もまた――町を支える大切な仕組みになり始めていた。

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