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異世界転移したら俺じゃなくてスマホがチートでした  作者:


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ゴミ収集の仕組み

「と言う訳で……」


俺は藁半紙を広げる。


「俺がゴミ収集のルールを作ることになった」


『合理的です』


「まあ、他にやることもないしな」


『その発言には少々疑問があります』


「いいんだよ」


俺は紙に項目を書いていく。


「まず、分別。生ゴミ、木片、金属、陶器、その他の、この五つに分ける」


『問題ありません』


「生ゴミは堆肥にする。木片は燃料に、金属は鍛冶屋へ、陶器は再利用できる物と破損品を分ける。その他は……まあ、今のところ処分だな」


『はい』


「それぞれの集積場を作る。何ヶ所かに分けて設置しておけば、わざわざ町の端まで持っていかなくてもいい」


『住民の負担を減らせます』


「そういうこと」



「集積場はここ」


俺は町の設計図を広げる。


「住宅地の近くに一ヶ所。こっちにも一ヶ所。もう一つは工房の近く。それぞれに竹籠を置く」


村人たちも集まってくる。


「竹籠?」


「ゴミを入れるための籠だ」


「雨が降ったら?」


「屋根を付ける」


『衛生面を考慮すると、蓋も推奨します』


「じゃあ蓋も作るか」


「分かった」


村人がすぐに竹籠の製作に取り掛かる。


「……」


俺は少し笑う。


「竹って便利だな」


『この地域では特に有用な資源です』


「籠にもなる。管にもなる。紙の材料にもなる」


『他にも用途は考えられます』


「本当に万能だな」



「それと、出す時間を決める」


俺は新しい紙に書く。


「ゴミを出すのは、昼まで」


「昼を過ぎたら、次の日」


村人から声が上がる。


「何で昼までなんだ?」


「回収する時間を決めるためだ」


「回収?」


「俺が回る」


「誠殿が?」


「ああ」


俺は手引き台車を見る。


「これで集積場を回って、ゴミを回収する」


「……」


村人たちが微妙な顔をする。


「どうした?」


「いや……」


「誠殿がやるのか?」


「暇だからな」


『正確には、現在ナナ様が町の工程管理を担当しているため、誠様が直接関わる作業が減っています』


「そういうこと。なら、俺がやる」



翌日。

朝から、町のあちこちに竹籠が設置された。


「ここが生ゴミ。こっちは木片。金属はこっち。陶器はここ。その他はここ」


それぞれに分かれている。


「間違えるなよー」


「分かった!」


子供たちも興味津々で覗いている。


「お母ちゃん、これはどこ?」


「生ゴミだよ」


「じゃあ、こっち!」


「そうそう」


最初は戸惑っていた村人たちも、すぐに慣れていった。


そして昼前。


「そろそろ回収するか」


俺は手引き台車を引く。


「まずはここ」


生ゴミの籠。

中には食べ残しや野菜の皮などが入っている。


「結構あるな」


『人口が増えたことを実感できます』


「だな」


次は木片。


「これは……」


木材の切れ端。


「燃料にできる」


金属。


「これは鍛冶屋」


陶器。


「こっちは再利用できそうだな」


そして最後にその他。


「これだけは、今のところ処分か」


『はい』


俺は種類ごとに分けながら、台車へ積んでいく。


「……」


「結構重いな」


『回収作業も立派な労働です』


「分かってるよ」


台車を引きながら、次の集積場へ向かう。


「よいしょ……」


そこでもゴミを回収する。


「なるほど。これなら、町中にゴミが散らばることも減るな」


『はい』


「しかも分別してあるから、その後の処理も楽だ」


『合理的です』


俺は台車いっぱいになったゴミを見る。


「しかし……」


『何でしょう?』


「ゴミって、こんなに出るんだな」


『人が生活すれば、必ず発生します』


「今まで気にしてなかっただけか」


『その可能性が高いです』


俺は台車を引きながら笑う。


「町を作るって、本当に色々あるな」


『はい』


「家を作って、道を作って、水を引いて、下水を整えて、今度はゴミまで集める」


『町には生活がありますので』


「そうだな」


俺は集積場を振り返る。

今までなら、ゴミは各家庭で勝手に処理していた。

でも今は違う。町全体でルールを決めている。


「これも町になってきた証拠か」


『はい』


「……」


俺は手引き台車を引きながら、次の集積場へ向かう。


「まあ、特にすることもないし」


『本当にそうでしょうか?』


「今はいいんだよ」


『……』


「それに、この台車も久しぶりに使うしな」


板ばねの付いた手引き台車が、ゴミを載せて町の道を進んでいく。

その姿は少し妙だった。


だが――これもまた、これから大きくなっていく町には必要な仕事だった。

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