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灰銀の戦乙女は、制服を知らない  作者: 最後に残った形


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第10章 第9話:削られた封印


 封印は、正しいものに見えた。


 白い封筒。


 厚みのある紙。


 王宮文書に使われる淡い灰色の封蝋。


 整った宛名。


 王立学園長殿。


 差出人欄には、王宮保護管理局臨時調整室、と書かれている。


 監察局補助室ではない。


 文書院でもない。


 封印管理室でもない。


 だが、封蝋の下端に残った細い線を見た瞬間、保護資料室にいた全員の空気が変わった。


 削られた線。


 斜めに走る、細い痕。


 王都仮受領記録で削られていた印の残存線。


 鳴らさぬ谷の紙倉跡で見つかった焼損処理札の右下に残っていた線。


 臨時特別預かり班系統の可能性がある、三点印の痕。


 それと、よく似ていた。


 朝の王立学園保護資料室。


 長机の中央に、封筒が置かれている。


 まだ開封されていない。


 学園長は手を触れず、まず全員を集めた。


 アルト・レインフォードは、封筒を見た瞬間から左手首に触れていた。


 痛みはない。


 熱もない。


 声もない。


 だが、冷えがある。


 昨日、王都文書院系統紙の可能性が確認された。


 オルド・ハイマンからの協力申し出も届いた。


 その翌朝。


 今度は、王宮保護管理局臨時調整室。


 そして、削られた封印に似た線。


「痛みなし。熱なし。冷え少し。声なし。現在地、王立学園保護資料室」


 アルトが報告すると、隣のリゼ・グレイスが頷いた。


「確認しました」


 リゼの視線は、封筒の封蝋から動かない。


 青いリボンで結ばれた灰銀の髪。


 整った制服。


 腰に剣はない。


 だが、彼女の全身が警戒していた。


 ミリア・ファルネーゼはアルトの顔色を確認しながら、封筒の位置と全員の距離を見ている。


 カイ・ロックハートは保存食袋を握り、いつもより口数が少ない。


 エリアナ・ルクス・ヴェルグラントは香草袋を手元に持っていた。


 怒りを出さないようにしているのがわかる。


 ユリウス・エインズワースは王宮文書の分類表を机に広げ、エレオノーラ・ヴィンスフェルトは記録板を構えている。


 クラウス・ヴァイゼルは、封蝋を拡大鏡で確認していた。


 ロウ教師は壁際に立ち、何も言わずに見ている。


 クラウスが低く言った。


「正式王宮印ではありません」


 部屋の空気が、さらに重くなる。


 学園長が問う。


「偽造ですか」


「偽造とまでは言いません。王宮内の臨時印、または正式印から派生した処理印の可能性があります。ただし、通常の保護管理局印ではない」


 クラウスは封蝋の下端を指示棒で示した。


「この残存線。王都仮受領印削損部、および紙倉跡焼損処理札の右下残存線と、角度が近い。さらに、ここ」


 封蝋の陰に、ごく小さな点が一つ。


 その周囲に、削られたような浅い痕が二つ。


「三点印の一部である可能性があります」


 アルトの左手首が冷えた。


「痛みなし。熱なし。冷え中。声なし。“三点印”で反応しました」


 リゼがすぐに問う。


「現在地」


「王立学園保護資料室」


「名前」


「アルト・レインフォード」


「同席者」


「リゼさん、ミリアさん、カイさん、エリアナさん、学園長、ユリウス先輩、エレオノーラ先輩、クラウスさん、ロウ先生」


「孤独ですか」


「いいえ」


「確認しました」


 冷えは少しだけ下がった。


 だが、封筒はまだそこにある。


 白く、整っている。


 正しい顔をしている。


 その表面の整い方が、かえって怖い。


 学園長は静かに言った。


「開封前に、封筒外側の記録を完了してください」


 エレオノーラが記録する。


 王宮保護管理局臨時調整室名義。


 正式印ではない。


 臨時処理印可能性。


 削損受領印残存線との類似。


 三点印一部可能性。


 開封前記録。


 アルトはその言葉を記録表に書き写した。


 手が少し冷たい。


 でも、書ける。


 冷え中より下。


 声なし。


 クラウスが封を開ける準備をした。


 封印を破る前に、学園長がアルトを見る。


「アルト君。開封に立ち会いますか」


 本人意思。


 紙の中身は、自分に関する可能性が高い。


 だから、聞かれる。


 アルトは封筒を見た。


 怖い。


 でも、見ないところで決められるのはもっと怖い。


「立ち会います。ただし、内容が強い場合は途中で休憩したいです」


 学園長が頷く。


「本人意思、確認しました」


 リゼも言う。


「状態悪化時、休憩を入れます」


「はい」


 封が開かれる。


 封蝋は慎重に剥がされ、保護板の上へ置かれる。


 中から出てきたのは、二枚の文書だった。


 一枚目は、表題文。


 二枚目は、別紙。


 学園長がまず表題を読み上げる。


「アルト・レインフォード殿に関する王宮保護移送提案」


 冷えが強くなる。


「痛みなし。熱なし。冷え強。声なし。“保護移送”で反応しました」


 リゼの声が低くなる。


「現在地」


「王立学園保護資料室」


「名前」


「アルト・レインフォード」


「足は」


「自分で動かせます。しびれなし」


「孤独ですか」


「いいえ」


 カイが小さく言った。


「いる」


 ミリアも。


「ここにいるわ」


 エリアナが香草袋を少しだけ近づける。


 置かない。


 貸さない。


 香りだけが、空気に少し混じる。


 アルトの冷えがわずかに下がった。


「冷え少し低下。声なし」


 学園長は文書を続けて読む。


「近時、王立学園内外において確認された不審文書、黒札様物品、およびアルト・レインフォード殿の銀環反応の不安定化を鑑み、同人の安全確保を目的として、王宮保護管理局臨時調整室は、王宮保護区画への一時移送を提案する」


 カイの拳が握られる。


 だが、彼は机を叩かなかった。


「移送って……」


 ロウ教師が短く言う。


「飲み込め」


 カイは息を吸う。


「はい。怒っています。でも、叩きません」


 学園長は続けた。


「本提案は、対象者本人の安全、関係者の負担軽減、学園側保護資源の過剰消費防止を目的とする」


 ミリアの表情が冷たくなる。


「関係者の負担軽減」


 リゼも静かに言った。


「アルトさんを遠ざける理由に、関係者の負担を使用しています」


 エリアナが低く言う。


「友達を近づけるな、に似ています」


 アルトの左手首が冷える。


「痛みなし。熱なし。冷え中。声なし。“関係者の負担軽減”で反応しました」


 学園長は文書の下部を見た。


「別紙あり。本人意思確認欄」


 その言葉で、部屋の空気が止まった。


 本人意思確認欄。


 アルトは息を止めかけ、すぐに吐いた。


 痛みなし。


 熱なし。


 冷え強。


 声なし。


 学園長は別紙を開く前に、アルトへ確認する。


「アルト君」


「はい」


「あなたは、王宮保護区画への一時移送に同意しましたか」


「していません」


「王宮保護管理局臨時調整室、または王宮関係者と、移送について本人意思確認を行いましたか」


「行っていません」


「この文書の本人意思確認欄に心当たりはありますか」


「ありません」


 学園長は頷いた。


「確認しました」


 別紙が開かれる。


 そこには、整った枠があった。


 対象者名。


 アルト・レインフォード。


 保護対象分類。


 銀環反応保護対象。


 提案内容。


 王宮保護区画への一時移送。


 本人意思確認。


 確認済。


 本人同意。


 条件付き同意。


 記録担当。


 その欄の一部が、薄く削られている。


 だが、下端に残った細い線が見える。


 三点印に似た点痕もある。


 アルトは手首を押さえた。


 冷たい。


 強い。


 でも、声はない。


「痛みなし。熱なし。冷え強。声なし。“本人意思確認済”で反応しました」


 リゼが即座に言う。


「本人意思を確認します。この別紙の“確認済”を認めますか」


「認めません」


「王宮移送に同意しますか」


「同意しません」


「条件付き同意をしましたか」


「していません」


「確認しました」


 学園長の声は静かだった。


 だが、そこには怒りがあった。


「本人が知らぬ本人意思など存在しません」


 その言葉は、保護資料室の空気をまっすぐ裂いた。


 アルトの冷えが、少し下がる。


「冷え中へ低下。声なし」


 カイが低く言った。


「勝手に本人意思確認済みにするな」


 リゼも言う。


「保護移送は、本人意思を奪えば誘拐と同じです」


 学園長は頷いた。


「学園は、本提案を拒否します」


 ユリウスが即座に記録する。


 王宮保護移送提案。


 本人未確認。


 本人同意なし。


 本人意思確認済欄、無効。


 移送提案拒否。


 リゼは文書の欄を見ていた。


「保護対象分類、銀環反応保護対象」


 アルトの左手首が冷える。


「痛みなし。熱なし。冷え少し。声なし」


 リゼは続ける。


「アルトさんの名前よりも、分類が前面に出ています」


 エリアナが静かに言う。


「王の血、鍵、銀環反応。人を分類にします」


 ミリアがアルトを見る。


「あなたは分類ではないわ」


 アルトは頷く。


「はい。僕はアルト・レインフォードです」


 リゼが確認する。


「現在地」


「王立学園保護資料室」


「本人意思」


「王宮保護区画への移送を拒否します。学園に残りたいです。一人で移送されません」


「確認しました」


 エレオノーラが記録する。


 アルト本人意思。


 王宮保護区画への移送拒否。


 学園残留希望。


 単独移送拒否。


 アルトはその記録を見て、少し息を吐いた。


 自分の言葉が、ここで記録されている。


 紙の上の偽物ではない。


 今、自分が言った言葉。


 同席者がいる。


 現在地がある。


 状態がある。


 怖さがある。


 それが、本人意思だ。


 クラウスは別紙の削られた記録担当欄を確認している。


「記録担当欄が意図的に擦られています。ただし、完全には消えていない。残存線は、封筒の封印下端と同じ系統に見える」


 ユリウスが問う。


「臨時特別預かり班系統ですか」


「可能性がある。ただし、現在は名前を変えているかもしれない」


 カイが低く言う。


「また、削ってる」


 リゼが頷く。


「はい。書く。削る。残る。繰り返されています」


 エリアナが言う。


「消したいなら、なぜ全部消えないのでしょう」


 クラウスは少し考えた。


「急いだ、あるいは完全に消す必要がないと思っている。正式処理ではないが、内部では通じる程度に残している可能性もある」


 ミリアが眉を寄せる。


「外から見ると曖昧。でも、内側では意味が通る印」


 クラウスが頷く。


「その可能性が高い」


 アルトは記録表に書く。


 王宮保護移送提案。


 本人意思確認済と記載。


 本人は知らない。


 同意なし。


 条件付き同意なし。


 拒否。


 記録担当欄削損。


 三点印系統可能性。


 分類、銀環反応保護対象。


 僕は分類ではない。


 書いているうちに、冷えが少しずつ下がっていく。


 学園長は返答文をその場で作成することにした。


 ユリウスが草案を書く。


 エレオノーラが記録を確認する。


 学園長の声は、静かで明確だった。


「王宮保護管理局臨時調整室宛。貴室より受領したアルト・レインフォード殿に関する王宮保護移送提案について、王立学園はこれを拒否する。理由。第一、対象者本人は本提案に関する本人意思確認を受けていない。第二、別紙本人意思確認済欄は本人の認識と一致せず、無効である。第三、本人は王宮保護区画への一時移送を拒否し、学園残留を希望している。第四、現在確認されている不審文書、黒札、孤立誘導の状況下において、本人意思を欠く移送は対象者の安全を高めず、むしろ危険を増加させる」


 カイが小さく言った。


「むしろ危険。いい」


 ロウ教師が視線を向ける。


 カイはすぐに姿勢を正す。


「すみません。でも、いいと思いました」


 学園長は続ける。


「第五、今後、本人意思確認済みを称する文書は、本人、学園長、記録担当者、同席者の確認がない限り無効とする」


 リゼが頷いた。


「適切です」


 ミリアも。


「必要です」


 エリアナは静かに言った。


「本人なき本人意思を、記録にしないでください」


 学園長は頷く。


「その文も加えましょう」


 アルトは学園長を見た。


「僕の言葉を入れてもいいですか」


 全員がアルトを見る。


 学園長は頷いた。


「もちろんです」


 アルトは少し緊張しながら言った。


「僕は、移送に同意していません。僕は、学園に残りたいです。僕の本人意思を、僕のいないところで確認済みにしないでください」


 エレオノーラが記録する。


 ユリウスが返答文へ引用する。


 左手首は、もう冷えていなかった。


「痛みなし。熱なし。冷えなし。声なし」


 リゼが頷く。


「本人意思、確認しました」


 午前の授業は休むことになった。


 ただし、隔離ではない。


 保護資料室の隣の休憩室で、全員で軽食を取る。


 リゼが「安全室への移動」を一瞬提案しかけ、すぐに自分で修正した。


「失礼しました。安全室ではなく、開放された休憩室を提案します。目的は休息。孤立を発生させません」


 ミリアが頷く。


「良好よ」


 アルトも答える。


「本人意思として、休憩室で休みたいです。一人ではなく」


「確認しました」


 休憩室で、カイが包みを取り出した。


 ミリアが尋ねる。


「今日の名前は?」


 カイは少し怒ったままの顔で言った。


「紙の上で勝手に連れていかない用」


 アルトの胸が、少し熱くなった。


 銀環ではない。


 胸の奥。


「それがいいです」


 リゼが頷く。


「非常に適切です」


 エリアナも静かに言った。


「はい。今日は、それがよいです」


 包みを開く。


 小さな焼き菓子と香草パンの欠け。


 アルトは成分を読み上げる。


「焼き菓子は小麦、卵、乳、林檎、杏。香草パンは小麦、卵、乳、蜂蜜、香草候補二、香草候補三。蜂蜜減量版。香草はエリアナさん調整です」


 エリアナが頷く。


「確認しました」


 香草パンを噛む。


 苦味。


 甘さ。


 今日の苦味は、王宮文書の紙の匂いを思い出させた。


 でも、カイの保存食名がその上に乗る。


 紙の上で勝手に連れていかない用。


 それは、食べながらでも戦える言葉だった。


 ミリアがアルトへ尋ねる。


「今の本人意思は?」


 アルトは少し考えてから答える。


「ここで、みんなと食べることです。王宮へ移送されません」


 カイが頷く。


「確認した」


 リゼも。


「確認しました」


 エリアナが静かに言った。


「本人意思は、本人の声と一緒にあります」


 午後、学園内に王宮文書の存在は伏せられたまま、警戒手順が強化された。


 門衛記録の確認。


 入構予定の再照合。


 王宮関係者の入構制限。


 伝言板の管理。


 安全室使用条件の再確認。


 本人意思文書の無効条件の掲示。


 ただし、日常は止めない。


 アルトは午後の短い授業に出ることを選んだ。


 リゼが確認する。


「アルトさん。午後第一講義に参加します。目的は日常導線維持。単独移動はありません。王宮移送提案後の負荷が高いため、途中退室可能です。参加可能ですか」


 アルトは答える。


「参加可能です。現在地は本館廊下。痛みなし、熱なし、冷えなし、声なし。授業には一人で行きません。怖くなったら言います。僕の本人意思は、学園で授業を受けることです」


 リゼの瞳が静かに揺れた。


「本人意思、確認しました」


 授業中、アルトは何度か左手首に触れた。


 冷えはない。


 ただ、教師が「王都行政文書の分類」と口にした時だけ、少し胸が固くなった。


 銀環は反応しなかった。


 記録表にはこう書いた。


 王都行政文書で怖さ少し。


 冷えなし。


 声なし。


 現在地、講義室。


 孤独ではない。


 授業は終わった。


 途中退室しなかった。


 自分の意思で来て、自分の意思で戻った。


 夕方、学園長室で王宮への拒否文が正式に封じられた。


 封印は王立学園印。


 削られた線はない。


 三点印もない。


 学園長は封を押しながら言った。


「この文書の目的は、拒否と確認です。隠蔽ではありません」


 エレオノーラが記録する。


 アルトはそれを見て、左手首に触れた。


 痛みなし。


 熱なし。


 冷えなし。


 声なし。


 夜、寮へ戻る前の状態確認。


 アルト。


「痛みなし。熱なし。冷えなし。声なし。王宮保護移送提案が怖かったです。本人意思確認済と書かれていたことに怒りもあります。僕は移送に同意していません。学園に残りたいです」


 リゼ。


「身体異常なし。疲労あり。感情、怒り、警戒。保護移送は本人意思を奪えば誘拐と同じです。学園主導で拒否しました」


 ミリア。


「身体異常なし。全員、本人なき本人意思を拒否できました。アルトさんの日常導線を今日も残せています」


 カイ。


「身体異常なし。怒りあり。保存食数、減少。紙の上で勝手に連れていかない用、残りなし。勝手に本人意思確認済みにするな」


 エリアナ。


「身体異常なし。疲労あり。怒りあり。分類名で人を移送しようとすることに反応しています。本人の声を記録から消させません」


 リゼが頷く。


「全員、確認しました」


 寮の部屋に戻り、アルトは記録表を開いた。


 第10章九日目。


 王宮保護移送提案。


 封印に削損受領印系統の残存線。


 三点印可能性。


 本人意思確認済。


 本人は知らない。


 同意なし。


 条件付き同意なし。


 拒否。


 保護移送は、本人意思を奪えば誘拐と同じ。


 僕は学園に残りたいです。


 僕の本人意思を、僕のいないところで確認済みにしないでください。


 そこまで書いて、アルトは左手首に触れた。


 痛みなし。


 熱なし。


 冷えなし。


 声なし。


 その時、窓の外で鐘塔の影が揺れた。


 風だ。


 ただの風。


 アルトはそう思おうとした。


 けれど、影の端が一瞬、黒い蔦のように見えた。


 左手首が、ごくわずかに冷える。


 痛みなし。


 熱なし。


 声なし。


 アルトはすぐに声を出した。


「リゼさん」


 扉の外から、すぐに返事がある。


「はい。状態を報告してください」


「痛みなし。熱なし。冷えごく少し。声なし。鐘塔の影が黒い蔦のように見えました。窓から確認しました。単独で見に行きません」


「確認しました」


 カイの声も続いた。


「俺もいる」


 ミリアの声。


「見間違いかもしれない。でも、記録しましょう」


 エリアナの声。


「影と本物を、急いで同じにしません」


 アルトは頷き、記録表へ書き足した。


 鐘塔影。


 黒蔦のように見えた。


 未確認。


 冷えごく少し。


 声なし。


 単独確認しない。


 最後に、もう一行。


 僕は、紙の上では移送されません。ここにいます。


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