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星の降る街に  作者: 霧島
第8章
92/92

92 鍵の行方

「ああ、大丈夫なのか?わかった。早急に手配する。現在の状況をこちらに送るように真と海唯に伝えてくれ」


speranzaの王宮内にて。


「尚人様ですか?直接連絡が来るというのは珍しいですね」


「ケイの症状が悪くなってきてるらしい。今は倒れて意識がなくて、真と海唯が看てるらしいが、船の中では限界がある。forestaは半日滞在で、speranzaへ尚人たちの船が帰ってくる。早急に受け入れ体制に入るように」



「承知いたしました。国に着くまでは息子には頑張って貰わないと」


「そうだな。真には感謝してる。尚人の初めて本気で想う女性(ヒト)の命を救ってくれたんだからな。この先もよろしく頼む」



真の父は、speranza国の大臣でもあり、王に仕える側近でもある。

息子は王の弟に仕え、父は王に仕えるというこの関係は、国のtop secret である。



「ケイの状態はどうだ?」


治療室に入ってきた櫻井さん。


「うーん、意識が戻るには時間がかかるかも。細胞が悪くなるスピードが早すぎ」


海唯がこちらに向くことなく、画面に何やらデーターを真剣に打ち込んでいる。


「今、本国に情報を送ってる。着いたらすぐ検査に入るからね」


「そう思って、兄には直接話をしてある。真の親父さんが今頃受け入れ手配に走り回ってるだろう」


「その件に関しては、極秘で動かないと後で厄介なことになるので、親父に話しておきました」


部屋の奥から出てきた真さん。


「親父?厄介なこと?」


隼人が聞くと


「親父は国王の側近なので、情報は入ってきます」


そう。国王の右腕。


・・・え?側近?


ってことは、親子で国王兄弟を支えてる?

真さんは、ぜったい敵にしちゃいけない。

隼人が心の中で、葛藤してると、


「国内には、ご主人様を慕っている御婦人方がたくさんいらっしゃいますからね。皆さんご主人様が帰ってくるのを心待ちにしてます」


「あぁ・・・・・・なるほど」


櫻井さんの立場になら。


女性本人だけでなく、家族も嫁がせたいだろう。

政略結婚みたいなものだ。


前に櫻井さんが、そういうのはめんどうで兄に任せ自分は戦場に、って言ってたな。


言葉の深い意味がわかった気がする。自分の感情二の次だもんな。



「ケイ、大丈夫なんだろうか」

でもこれ以上、面倒な争いに巻き込まれるのは勘弁してほしい。



「大丈夫だ。手はださせん」

櫻井さんは当たり前のように。


「手を出した時点で、そいつの命はないのと一緒ですが」

さらっと笑顔で、真さん。


もう何も言うまい・・・。


目の前にたくさんの器具を付けられ眠るケイ。


1日でも早く、持ってる鍵を目的地へおさめて、ケイと2人開放されたい・・・。


そうしないと、櫻井さんとの繋がりが、ケイに支障がでないとは限らない。


嫌な予感がする。


そうだ・・・鍵。


「櫻井さん、speranzaに着いたら、ケイの持ってる鍵はどうなるんでしょう」


「ケイの体調次第だな。目的地に行くのは」


最初の話だと、speranzaに着いて、ある場所にケイと2人で行かないと、鍵の効能がない、と櫻井さん言ってたが。


「ケイの体調がおさまるまで待てるものですか?」


「ああ、俺達が近くにいるからな。大丈夫だ、その時になれば一緒に行く」


「それなら早くケイには、元気になってもらわないと」


地球には、帰るつもりはないが、この王族の中に身は置いておきたくない 。


「隼人の気持ちは痛いほどわかるが」

海唯が入力の手を止めて、隼人の方に身体を向けると、


「ケイさんの身体、そう簡単には良くならんぞ、隼人」


「え?どういうことだ海唯」


隼人が返事をする前に、櫻井さんが口をはさむ。


「この毒薬が身体に入って、生きていること自体が奇跡だ。真の処置の早さとケイさんの体力で生き延びたようなものだからな」


「それが今は・・・回復するどころか、悪くなってる」


その返事に、答えることができなかった

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