4-2. サーヤとの和解
タイトルを間違えていたので修正しました(6/27)
サーヤと普通に話せて私はうれしくなる。私の気持ちに呼応するようにホタルが周囲をくるくる回る。
「よかったぁ。私、サーヤに避けられてるのかと思っちゃってたよ。」
私がニコニコしていると、しばらくサーヤはビックリした様子だったけど、少し視線を彷徨わせたあと話し始めた。
「…少し気まずくて。この前の採掘のとき、アレクさんとルシアがお互い長い間、見つめあっていたじゃない?」
そんなことあったかなぁ。アレクさんにずっと見られていて居心地が悪かった覚えはあるけれど…。
私が肩のホタルを見て首をかしげると、ホタルも真似をして首をかしげた。サーヤは続けた。
「2人で作られた空間があって、私だけが部外者だったの。これから2人はどんどん仲を深めていくんだって思ったわ。私がいくら手を伸ばしても、もうきっと掴むことができないんだ。…そう、思ったの。」
サーヤが部外者?
サーヤは私に話しながら、うつ向いていく。両手をぎゅっと強く握っている。
もしかして、3人一緒にいたのに、疎外感を感じたってこと?
サーヤとは対照的に、私は晴れ晴れとした顔になる。
分かったよ、サーヤ。仲間外れにされたみたいで悲しかったってことだね!
ホタルが肩の上でうんうん頷く。私はサーヤに1歩近づいた。サーヤはビクッと身体を揺らす。
「大丈夫だよ!私が1番仲良しなのはサーヤだもん。絶対にサーヤ抜きでアレクさんと遊んだりしないから。」
ね?と私は首を傾けてサーヤを覗き込んだ。サーヤは私の勢いにびっくりしたみたいで、目をパチパチとしている。
むぅ。まだ伝わってないかな?
「そもそもサーヤは私の理想のお姉ちゃんなんだよ?1番大好きなサーヤを仲間外れになんてするわけないよ!」
「え、ええと…。」
私が強く言い切ると、サーヤが戸惑ったように視線をキョロキョロさせた。小声で『そんな話してた?』と呟いているのが聞こえた。
どうかな?伝わったかな?
私はじーっとサーヤを見る。
…クスッ
サーヤが小さく笑った。
「私の言いたかったことが伝わってないけど。…でも、絶対に2人で遊ばないだなんて。ふふっ。なんだかバカバカしくなっちゃう。」
サーヤが泣き笑いのような顔をして言った。
「理想のお姉さんかぁ。そうね。私、ルシアのこと、本当の妹のように大事よ。…だから、ルシアに会ったら酷いことを言ってしまうのが怖くて逃げていたの。」
サーヤは1度うつ向いたあと、顔を上げて私を見た。サーヤと目が合う。
「負けないからね、ルシア。」
サーヤがぱぁっと笑った。サーヤの笑顔を久しぶりに見た気がする。つられて私の頬も緩まる。ホタルは頭上でクルクルまわっていた。
「これからもよろしくね、私の妹さん?」
サーヤが照れながら言った。
うれしい!
私はサーヤに勢いよく抱きついた。
「きゃああ!ルシア、濡れた身体で抱きつかないで!ほら、早く帰って着替えよう?」
「うん!」
私はサーヤに手を引かれて歩いた。
帰宅すると、びしょ濡れの私を見てお母さんが悲鳴を上げた。
「ルシア!?水汲みで転んだの?タオル渡すから髪を拭いてパン釜の前で暖まってなさい。今日はゆっくりしてていいから。」
お母さんは、私の頭にタオルを被せ、パン釜の前に誘導してくれる。
「えへへ、ごめんなさい。」
ニヤニヤしている私をお母さんは訝しげにしていたけれど、パン屋の方でお客さんに呼ばれたからか、特になにも聞かれなかった。
私はパン釜の前で毛布にくるまってからだの力を抜く。ホタルも私の腕で羽を休めている。帯電しているのか腕が少しピリピリするようだ。次第に目蓋が重くなってきた。昨日あまり眠れてなかったのかもしれない。私は睡魔に抗うことなく眠りに落ち、しばらく夢の中を漂った。
ーーー
夢の中。
私は一生懸命に何かを作っていた。そこに後ろから男性が来てそれを諫めた。何を話しているんだろう?なんだか懐かしくてフワフワする。
「心配しないで、○○。今度こそ成功させるから!」
男性がまた何かを言っているけれど、私には聞き取れなかった。




