閑話 ルシアとホタルが出会った夜、ふたりの決意
ルシアが寝室へ行って就寝した後、お父さんとお母さんは頭をかかえながら話し合いをしていた。
ルシアには、ホタルはルシアの相棒となりうるかどうか分からないという体で話していた。しかし、それは人から引き継いだり引き合わせてもらったときの場合だ。自然に出会うなら、もうそれは生き物側がその人間を気に入って近づいてきた証であり、ほぼ確実に相棒となるのだ。
「どうしましょう。あの子の連れてきたホタルという生き物を私は知りません。これから一緒にいて、ルシアに危険が無いのか不安です。」
「俺も、これまで色々な生き物を見てきたが、あの生き物は見たことも聞いたことも無い。だが、ルシアの相棒となるのであれば、こんなチャンスは他に考えられない以上、無理に引き離すことはできない。」
でもでも、とお母さんは首を振る。故意でなくとも相棒の力で人間が怪我をすることだって、希にだがある。それが心配なのだ、と。
「そうだ。人間が相棒の力を理解せずして手伝ってもらおうとすれば、相棒の力が間接的に人間を傷つけることとなる。今のところ、ルシアはホタルに手伝わせる様子は無いようだが…。」
ホタルについて調査する時間が必要だ。そのためには、万が一、ルシアがホタルに手伝いを求めて危険に侵されることのないように、『ホタルはまだ相棒ではない』とルシアに認識させる必要がある。
「高地にきてよかったな。田舎の小さいコミュニティなだけに、ここなら何かあっても守りやすい。」
「そうですね。情報の行き来が乏しいというのは、バレにくいという意味で、安心でもあります。」
お母さんは今日の出来事を紙に書いて封筒に入れる。これからは今までのように平和にい行くとは思えない。否が応でも状況が大きく変わっていくだろう。ルシアが傷つかないよう、より一層気を付けなければならない。お父さんとお母さんは決意したように頷きあった。




