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3-3. 材料集め

森に入った私はアレクさんとサーヤと行った場所を目指す。ココットってこんなに重たかったっけ。ううっ、遠いよぉ。


「やっと着いたー…。」


うろ覚えだったけどアレクさんが採取していた場所に着けてよかった。さあ、これから磁石探しだ。


「さあて、磁石をどうやって探そう?」


勢いでここまで来たけれど、どこから探していこう?片っ端から磁石かどうかを調べていくのはあまりにも面倒だ。私はとりあえずホタルと出会った場所まで行ってみた。


うーん、どうしようかな。


悩みながら鞄を肩からおろして近くの石に腰かける。


ガタンっ。わわわっ。


石がガタンと傾き、転びそうになった。すると、ホタルが私の座る石に飛んできてピカピカッと光る。


「心配してくれてるの?鞄が落ちただけで私は怪我してないよ。」


私は鞄を拾うとホタルを安心させるためにニコっと笑う。でも、ホタルは「違う違う」というようにブンブンと身体をふっている。


「もしかして…、これが磁石だったり?」


そんなわけ都合が良い訳ないよね。そう思いつつも、私は持ってきていた鉄製のココットを座っている石に近づけた。


ガチンッ


ココットは硬い音を鳴らして石に吸い寄せられるようにくっついた。


「これ、磁石だ。」


案外すんなりと磁石を見つけられてしまった。もしかして、鞄の銅と磁石で電磁誘導が起きて微小な電気が発生したから、ホタルが気付いたとか?…いや、そんなまさかね。


ホタルは『ほめてほめて』というように私の前でクルクル回る。


「ふふっ、こんなに早く磁石が見つかるなんて。教えてくれてありがとう、ホタル。」


磁石が手に入れば、材料は揃った。あとはモーターを作れば自動で石臼を回せるはず!私は意気揚々と家に帰った。


「うーん。モーターを作るための絶対に必要な材料は揃ったけど、このままじゃ使えないね。」


私は銅製の鍋や磁石をみて腕を組んで考える。銅はクルクルとバネみたいにしないといけないから、細長くして銅線にしないといけない。それに磁石の方は、S極やN磁のような磁力が強い部分を探さないといけない。


「銅なら土属性のサーヤのお父さんに相談してみよう。…ううう。サーヤとも仲直りしたいよ。」


今朝、サーヤに謝りたくて家を訪ねたけど、結局会えなくてまだ謝れてないことを思い出した。石臼を自動でまわすことにばかり気を取られて大事なことを忘れてしまっていた。


「サーヤ、どうして話してくれなくなったんだろう。私のこと避けてるのかな…。」


お腹のなかがグルグルするような嫌な気持ちを抱えながら、私はサーヤの家に向かった。そこでは、サーヤの弟たちがゴムボールを使って遊んでいた。ゴムボールは木の樹液から簡単にできるから、この辺りじゃ定番のおもちゃだ。弟たちに声をかけ、サーヤかサーヤのお父さんがいるか聞いてみる。


「お父さんは納屋にいるよ。サーヤ(ねぇ)はさっき他のみんなで水汲みに行ったから、まだすぐには戻ってこないよ。そして、俺たちは雑草むしり!」


サーヤの弟たちが胸を張って自分達の役割を主張する。またサーヤと会えなかったな。私は少し八つ当たり気味に弟たちをじとりと見た。


「なぁ、肩にのってるのって何?属性なしのルシアでも、ついに相棒ができたのか?」


ひとりが私の肩のホタルを見上げて興味津々に聞いてくる。私は年下相手にムムッとなる。


「おい、やめろって!ルシアさん、すみません。」


他の子がフォローしてくれたけど、それはそれでむなしい。


「大丈夫だよ。おじさんは納屋にいるんだよね?私ちょっとお邪魔するね。」


これ以上いると、さらに八つ当たりしてしまいそうなので、私は足早に納屋に向かった。おじさんはすぐに見つかって、銅線がほしいけれどどうすれば加工できるか相談してみた。


「要は細長くしたいということだろう?それならちょっと待ってろ。」


おじさんは土アナグマ(ツチアナグマ)を連れて何か作業をしているところで、私が急に来てビックリしていた。私が銅線について相談するとおじさんは少し考えこんでから、ハサミみたいな形のペンチと、材料を挟んで固定するために使うクランプと、銅製だろう棒を持ってきた。


「おじさん、銅なら家に銅製の鍋があるから、それ使ってもらおうと思ってたんだけど。」


「銅なんてどこにでもあるもん、気にしないで良い。そんなに時間はかからないだろうからちょっと待ってろ。」


おじさんは銅の片側をクランプで固定するともう片方をペンチで挟んで持った。ちょうど真ん中では土アナグマ(ツチアナグマ)が支えている。


「じゃあ、引き伸ばしていくぞ。よいしょっ。」


おじさんと土アナグマ(ツチアナグマ)は土属性の光を出しながら、銅を引っ張っていく。銅は徐々に細長く引き伸ばされ、やがて銅線と呼べるぐらいの細い線になった。


「これぐらいの細さで良いか?」


「完璧だよ。ありがとう、おじさん!」

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