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CYOA  作者: さだきち


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あなたは巨大な扉の前に立った。

その表面はひび割れ、古い装飾が崩れ落ちている。

まるで長い年月のあいだ、この場所を守り続けてきたかのような重々しさがあった。


両手で扉を押すと、鈍い音が響き、わずかに隙間が開く。

さらに力を込めると、扉はゆっくりと、しかし確実に外へ向かって押し広がっていった。


眩しい光が差し込み、あなたは思わず目を細めた。


「……やった。外だ!」


冷たい空気が頬を撫で、広がる景色が視界に飛び込んでくる。

どれほど長く閉じ込められていたのか分からないが、ようやく自由を手にしたのだ。


胸の奥から、安堵がじわりと広がった。


そのとき――

ふとポケットを探ると、指先が一枚の紙片に触れた。

取り出してみると、それは古びた 写真 だった。


数人の子どもたちが笑っている。

その中央に、あなた自身と思われる人物が立っていた。

黒板の前で、何かを説明しているような姿だ。


「……学校の教師、だったのか?」


そう思った瞬間、胸の奥がざわついた。

しかし、どれほど目を凝らしても、

その時の記憶は――戻らない。


思い出せない。

自分が誰で、なぜこの館にいたのかさえ。


それでも、外の風は確かにあなたを包んでいた。

今はただ、この一歩を踏み出すしかない。


――あなたは脱出した。


- END -


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