零.登場人物・端明暦大要
■登場人物
【皇太子妃】
・朱 玲穎
旧家の出身で、三年前に皇太子に側妃として嫁いだ。背が高く細身で、やや冷たく見える美人。華美を好まず読書を愛する、控えめな性格。
入宮当初から皇太子の訪いはほぼなく、侍女に冷たい目を向けられている。十九歳。
・魯 愛凌
二十九歳、皇太子の正妃。八歳の第二皇子と五歳の第一皇女の母。現皇后・趙氏の従妹姪にあたる。規律に細かい神経質な美人で、奔放な女性を苦手としている。
・潘 佳夕
二十八歳の皇太子側妃。第一皇子である十歳の男児と、三歳の第三皇子の母。現帝の寵妃・王雅妃の実家の派閥の一族の娘で、垂れ目に泣きぼくろが印象的な蠱惑的な美女。厳格な魯妃と反りが合わない。
・江 明珠
二十三歳の皇太子側妃。歌や芝居を好む、大人しい性格の佳人。趙皇后の実家の派閥の家の出身。昨年、双子の女児を出産した。
・馮 春海
玲穎の実家に仕える一族の娘で、彼女の筆頭侍女を務める。朱家当主の妾の娘である玲穎に対して、冷たい態度を崩さず、皇太子の寵愛を得られない彼女に苛立っている。
【皇族】
・蘇 直謙
皇后所生の皇太子。文武共に秀で、武官のような恵まれた体躯を誇る。やや三白眼気味の、すっきりとした面差しの三十三歳。
かつては伝統と規則を重視するあまり、融通の効かない点が目立っていたが、即位を間近に控え父に学び直し、考えを改めつつある。反面、父帝の偉大さに気圧されてもいる。
・蘇 琴華
二十五歳。淑女の鑑として男女問わず多くの尊崇を集めるものの、自らの意志で独身を貫く。母・王雅妃譲りの可憐さは今も健在。きょうだいの中で、父・端明帝の寵を最も受ける存在。
・蘇 穏翊
儀礼や外交を司る典部の皇族職である、典采を担う。かつての朗らかさは影を潜め、酒に溺れがちな点が心配されている。二十八歳。琴華の実兄。
・蘇 樹琉
現帝の甥、三十歳。直謙以上に鍛え上げた肉体の持ち主。兵部の皇族職・兵采の地位に就いている、好戦的な人物。
【隣国・錚雲】
・蘇 澄蘭
母国での騒動を経て側妃として隣国に嫁ぎ、両国の関係仲立ちに奮闘している。二十五歳、直謙たちの義妹。古風な面立ちの、知的で柔らかな雰囲気の女性。
■端明暦大要
・端明六年:行家、当主・岳栄の国家反逆罪により、族滅。
・同 十二年:温 遠珂、特使として、長年断絶状態にあった隣国・錚雲に赴き、交易再開に尽力。その褒賞として、皇女・澄蘭との婚約が成る。
・同 十二年秋:皇太子暗殺未遂事件を起こしたとして、遠珂とその父が投獄される。澄蘭も関与を疑われ、厳しい取り調べを受ける。温父子は獄中死。
・同 十二年末:魯皇太子妃、男児を出産。
・同 十三年春:澄蘭、側妃として錚雲に降嫁。
・同 二十年初:端明帝・冽然、翌春に皇太子・直謙への譲位を表明。
現在に至る。
※年齢は数えを想定しています。




