第5話 ドラゴンの住む山
俺たち2人はドラゴン討伐、ボウズさんはギルドへ報告となった。
とにかく俺はどっちでもいい。クリスに無理はさせない。それだけだ。
フォレストキングベアも危険だが、ドラゴンがいる限り被害は収まらない。優先はドラゴンとした。
まあ、俺的にはドラゴンを倒すというより、安全確保の方法を探りたい。
なぜ村や森を襲うのか、そこが知りたいんだ。
「バイン、ドラゴン倒すわよ!」
「・・・」
うん、そうだよな、参ったな。
飛び去ったとされる西の山を目指す。
相手は空飛んでるんだから、そんな近くにいるとは限らんのだが。
「バイン、今夜は野宿も覚悟で準備して。だから今夜は”あれ“ダメよ」
「まずは飯食ってから出発だ。野宿あんだけ嫌がってたのにドラゴンのためなら気にしないってか。ドラゴンすげえな。ああそれと、俺は外でもできるぞ」
「魔獣の森では無理でしょ!」
冗談だから耳まで真っ赤にして怒るなよ。
――
森を進むこと5時間そろそろ今日は暗くなってきた。明日は山登りもある。早めに休むのがいいだろう。
「少しでも安全なように岩陰を探すぞ」
代わるがわる見張りをしながら睡眠をとる。
そして翌日の早朝。
「バイン、行くわよ、まだまだ遠いんだから」
「飯、食おうぜ」
「食べながらでしょ」
「それじゃ急に魔獣に襲われたら対処できんだろ」
「そう、ね」
とりあえず落ち着いて飯を食ってから出発した。
それにしてもクリスはすごいやる気だ。
3日ほど山道を進むと大きく開けた山肌が見えた。
そこで2匹の大型ドラゴンが闘っている。
「縄張り争い?」」
ブレスまではいてやりあっている。あれはかなり本気だろう。
詳しくはわからんがこの辺の獲物が減って、争いまで起こっているんだろう。
それで人里まで来ている。迷惑な話だがドラゴンにも事情がありそうだ、
「クリス、まさか2頭倒すとか言わんよな? どうする、ギルドに状況の報告をすることを俺はお勧めするが」
クリスはじっと2頭を見つめている。
「1頭になるのを待ちましょう。ここまで来てタダでは帰れない」
「おい、あの大きさだとおそらくAランク上位だが、かなり強いぞ。本当に死ぬ気か?」
「そんなわけないでしょ。ただ、強い魔獣を狩りたいという気持ちがどうしても抑えられない。正直自分でも怖いわ」
「・・・そうなのか」
俺はこいつを傷つけたくない、守りたいと思ってきた。
嫌いじゃない、どちらかといえば好ましく思う。
一緒にいて楽しいし、若く、見た目もかわいい。性格もまあ悪くない。
だが、今の話を聞いて別の興味がわいてしまった。
俺のブーストでどこまで行けるのか。
これまでも使ってきたが俺はオーバーブーストができる。本来の能力限界以上のバフを付けられるのだ。体には大きな負担がかかるので極力抑えてきたが、ドラゴン相手にはSランク相当以上のブーストが必要だ。本人も求めている。
「わかった。あいつらもいつまでも喧嘩してはいまい。1頭になるのを待とう」
「バイン!話せるじゃない!」
クリスに抱き着かれた。が、ブーストの限界能力への興味が勝ってしまった。
その後2時間も争っていたが、さすがに疲れたのか一頭が飛び去った。
「今がチャンスだ」
「今がチャンスね」
同時に立ち上がった。




